「あなたのオススメ!映像化された小説」でアンケートを実施。
191名の方にご参加いただきました。
性別問わず、年代は10代から60代以上の方まで。
幅広い年代の方のジャンルレスmyオススメ小説。
感想も様々。十人十色でとても自由です。
191名の感想文の中に、あなたの読書欲を刺激する新しい出会いがあるかもしれません。
目次(クリックすると、好きなところからお読み頂けます)
ドラマ化/映画化された小説おすすめ作品
東野圭吾「白夜行」
第48回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では本作が4冠を達成。
東野圭吾「白夜行がおすすめの理由」
テレビドラマにも映画にもなった東野圭吾の作品の中でも大人気の小説ですが、個人的にはドラマの方が好みでした。小説では山田孝之演じる[桐原亮司]と綾瀬はるか演じる[唐沢雪穂]の二人が直接会っているシーンは書かれていませんがドラマ版では二人が直接会ってやりとりしているシーンがしっかり映像化しているので小説を読んでわからなかった場面も理解することができます。小説はすごく分厚く、シーンが飛び飛びだったりするので想像で楽しむ感じでしたが、ドラマでは答え合わせのように見ることが出来て楽しかったです。(30代 女性)
ミステリの最高峰…衝撃的な内容でした。質屋刺殺事件の被害者の息子の亮司と加害者の娘雪穂が何かしら繋がりがあり、事件のキーパーソンである事は早い段階で解ったけど、手掛かりがなく、分厚い文庫本を先が気になってついつい夜更かしして読み進めてしまった。 二人の心の闇は深く、救いの手は差しのべられない。しかも、最後に、こういう結末が待っているとは…。同情する余地は全く無いはずなのに、2人の生まれ育った環境を考えると、悲劇としか言いようがない…。読み終えた時、何か…後味の悪さが残りました。
続編の『幻夜』と合わせて読む事をオススメします。
あと、山田孝之主演のドラマ『白夜行』も、オススメします。小説の世界観が味わえるし、ラストが小説とは違っていて、少しですが救われた気になります。(40代 女性)
救いようのない重く苦しい物語でした。子供の頃に自分たちを守るために引き返せない悪事を犯した二人は大人になってからもその道を続けます。彼らの生き方のせいで、言い訳なんてしようもない全く落ち度の純粋な被害者が何人も生まれてしまいますが、それでも主人公たちを心から憎めないと思ってしまいます。たぶん彼らが悪事を働くことで幸せになって高笑いしていたら軽蔑できたのかもしれませんが、そうではないままだったからでしょう。(40代 女性)
とても明るいとは言えない小説です。彼は彼女の影となり、ずっと守り続けている。実写版では「山田孝之さん」と「綾瀬はるかさん」が主演をつとめました。お二人は「世界の中心で愛を叫ぶ」でも共演されていて、私はこのお二人の世界観が大好きです。お名前を忘れてしまって申し訳ないのですが、お二人の子供時代の役を演じた子役さん達もとても良いお芝居をされていたのを記憶しています。私はドラマを見てからの小説に入ったのですが、小説の独特の世界観をとても良く表現されていたのではないかと思います。大好きな作品の一つです。(30代 女性)
大阪の廃墟ビルで質屋を経営する男が殺されて、容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りしてしまうことになる。事件の重要人物である被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂は、全く別々の道を歩んでいくことになるのだが、二人の周囲に犯罪の形跡が見え隠れする。しかし、何も「証拠」はないまま十九年の歳月が流れてしまう。この年月の間に心を失った人間の悲劇を描いている息詰まる緻密なストーリーに驚愕を覚えます。(60代 男性)
最初はドラマから入り、映画を見て、小説を読みました。一ページでも早く読みたくて、ご飯を食べる間も、寝る間も半惜しんで時間を費やしました。小説ではいろいろ不明なまま進行するので、終始気持ち悪い雰囲気で、結末も後味が悪い感じがしました。なんだか許せないというか、もっといい道があったんじゃないかとか。大人って汚いなぁとか、時々涙してしまう瞬間もありました。ただ、主人公の女性が性的虐待を受けてから一人逞しく起業までし、経営者となった姿はとても印象的でした。(20代女性)
あまり小説を読んだ経験がなく、ふと手に取って読んでみようかと思った小説でした。
最初は幼少期から大人になるまでの男女のそれぞれの人生が描かれていて、どんな物語なんだろうと思っていました。
どんな風に結びつくのか最初は全く想像ができませんでしたが、読み進めると内容がリンクしはじめてどんどん引き込まれて先が気になって一気に読んでしまいました。
最後はスッキリせず切なさと無念さが残っ作品でしたが、これがきっかけで東野圭吾の作品はいつも気になるようになりました。(30代 女性)
親を殺してしまった幼なじみ同士が、人生の中で光と影のように寄り添いながら共に生きていく姿を描いている。犯罪を犯してしまうと、それを隠して幸せになることはできない。決して。それが例え仕方の無い、どうしようもない理由があったとしても。ドラマでは何故親殺しをしてしまったか、そしてそれを隠すために罪を重ねていく様子やいきさつが分かりやすく描かれているが、小説では淡々と進むなかで読み解いていく感じで、ドラマよりも映画の作品の方が小説に近いと思った。心が苦しくなるような、考えさせられる作品。(30代女性)
映画化、ドラマ化どちらもされています。何回見てもとても切ない気持ちになり、やりきれない気持ちが出てくる話だと思いました。ハッピーエンドで終わる話が多いですが、最後まで明るい話にならずに終わってしまう物語は珍しいと思います。男女2人がお互いを思いやり、必死に生きていく姿は生き方を考えさせられます。
暗い話だと思ってしまいますが、惹き付けられる部分が多く次々と読んでいきたくなる内容になってたのですぐに読むことが出来ました。(20代 女性)
湊かなえ「告白」
2008年 週刊文春ミステリーベスト10で第1位。
2009年 本屋大賞受賞作。
第34回日本アカデミー賞 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞
他、数々の映画祭で賞を受賞。
湊かなえ「告白」がおすすめの理由
可愛い愛娘が自分の教え子に殺されたと教室で告白する場面から背筋がぞっとしました。ただ告白しただけではなく、既に復讐が始まっているという現在進行形の中で起こる愛娘の母親である女性教師や犯人の生徒とその母親、そしてクラスの委員長の女子生徒の心
中での心理状態が捉え方によっては加害者になったり被害者になったりと読者を回想させるあたりは、さずが湊かなえ作品だなと痛感しました。この小説を読んでいくうちに本当の犯人とは誰なのかよりも、何故その事件が起こったのかのほうが気になる作品だと思います。(40代 男性)
この小説は、中学生の頃に初めて読みました。
一度読み終えたときは、どういう事?とあまり理解できませんでした。何より辛い気持ちが残ったのを覚えています。しばらく経って、もう一度読み直してみようと思い、二度目を読み終えたとき、ようやくこの物語を理解することができました。当時、中学校は給食だったので、この物語と少しダブルところがあって、ありえない事ですが、少しそれを重ねてしまったりしていました。人間の本質や命について、中学生ながら考えましたし、良い出会いだったと思います。(20代 女性)
だいたいの小説が最後には謎が溶けて解決したり、感動で終わったりとするのですが、この作品は読み終わってもいやな気持ちでモヤモヤとした結末を迎える何とも言えないものでした。でもたくさんの伏線がどんどん回収されていく気持ちよさは、つい何度も読みたくなる作品です。これがイヤミスの魅力なのかもしれません。私はすっかりハマってしまいました。映画化と聞き、あの世界観をどのように表現するのか楽しみにしていましが、見事に映像化されていました。(30代 女性)
愛美はこのクラスの生徒に殺された。ホームルームでの担任の告白により、騒がしかった教室が、次第に緊張感に包まれていく。法に守られている中学生。彼らは守る必要があるのか。そして、殺されたというのが本当なら、どのように罰を与えるのか。淡々と語られていく真実。語りだけで、ここまで人を怯えさせることができる。作者の処女作だが、こんな作品を世に出して大丈夫なのか。人間の負の部分を、しっかりと感じることができた。(30代 女性)
話題作でしたが、しばらく経ってから読みました。
ある教師の「告白」から物語はスタートするのですが、もう続きが気になって一気に読んでしまいました。
最初の「告白」は衝撃でした。そこからの怒涛の展開、最高です。
読み終わった後は、映画も見てまた違った「告白」に感動しました。
実写映画化には色々な意見があると思いますが、私は大成功だと思います。
友人たちとも語り合いたくなるような作品です。
まだ見ていない人にも自信を持って勧められる作品です。(20代 男性)
ミステリーですが、謎解きなどではなくあとからじわじわとくる恐怖が面白かったです。動機や目的などもわからずただの学校の物語かと思いきや、衝撃な内容だというのも楽しかったです。主人公の思いや気持ちなども字から伝わってきたので、見ているこちらにも感情が入ってくるかなと感じました。そして、こうした出来事が現実にも起こりえなくはない話だなと考えたら、どんな相手に対しても多少の疑問などは抱きながら生きていこうとも思えました。(20代 女性)
湊かなえさんのデビュー作、イヤミスの傑作だと思います。愛娘を殺された女教師の復讐のお話です。クラスのホームルームで自分の娘は事故死ではくこのクラスの誰かに殺されたと伝えていきます。たんたんと教師のモノローグが続くのですがぐいぐいひきこまれます。生徒に対する復讐で主犯の生徒に対してはじわじわ真綿で首をしめていくように攻め、嫌な話ではあるのですがついつい感情移入してしまい応援してしまいます。自分も残酷な人間だと言うことを再確認しまう作品でした。(40代 女性)
東野圭吾「容疑者Xの献身」
『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位。
アメリカ図書館協会最高推薦図書(ミステリー部門)
東野圭吾 「容疑者Xの献身」がおすすめの理由
冴えない1人の男性が初めて本気で人を心から愛し、その人の為に犯罪を犯す純愛の物語。謎を解明していけばいくほど、何が正義なのか分からなくなる程切なくなりました。
読み進めれば進めるほど、石神の巧妙な完全犯罪の計画がどうなって行くのか面白くて引き込まれていく本です。
友人を疑い、その犯罪のトラックを暴いていかなければならなかった湯川の切なさも読んでいて苦しかった。
最後石神が泣き叫ぶところが苦しくてミステリー小説なのに涙が止まらなかったです。
(40代 女性)
映画化する前から読んでいたんですが、もし映画化するなら
湯川学役は俳優の井浦新が合ってると思う。
福山雅治も合っているが、なんだか物足りない。
柴咲コウは、ピッタリなんだけどね。
シングルマザーと、その娘が元旦那を殺害するのは衝撃だったんですが
それ以上に数学教師のトリックが凄いと思います。
元旦那に蹴られている娘を助ける為に殺すなんて。
警察に相談すれば元旦那が家を訪ねてくることなんてなかったと思います。
全く罪のないホームレス殺すなんてかわいそう。
騙されたホームレスも馬鹿みたい。
最後はシングルマザーが出頭してくれたからよかった。
娘は分からないけど。
このストーリーを考えた東野圭吾は天才だと思います。(30代 女性)
さえない主人公が主人公のこの話。
隣人に恋をするのですが、
その片思いの切なさがたまらなかったです。
その思いから主人公が加害者の身代わりとなり、殺人をしたことを告白します。
身代わりになるなんて、すごく相手を思っていたんだなぁ・・とジーンとしてしまいました。
そしてそれを暴く湯川先生。
友人が殺人者なのかを暴いていくのは複雑な心境だったでしょうが、
そのあたりの心境も読み取ることができて、あっという間に読んでしまいまいました。
とにかく先が気になり、一気に読んだ作品です。(30代 女性)
弁当屋で働く母子家庭の一家が住むアパートに別れた夫が強引に入り込み、母子が元夫を殺害することから事件が始まる。この時間の証拠隠滅を手伝うのが主人公の石神だが、この主人公の弁当屋のおかみさんを思う気持ちがとても切ない。好きな人を守りたかった主人公、これ以上石神に迷惑はかけられないと最終的に罪を認めてしまうおかみさん。ラストシーンは心が痛くなった。あの湯川が苦戦するほどの好敵手が相手となっているため、トリックが明らかになった時の衝撃や爽快感もひとしお。(20代 女性)
隣に引っ越してきた母娘のために自分を犠牲にして、その母親の為に人殺しをした
数学では素晴らしい力を持っていた男性が切なかった。
最後に母親が、自分が悪いと出頭してきた時の彼の泣き叫びは、とても印象に残った。
残りの人生をこの母娘のために捧げようとしていながら、この母親に愛情を持っていた彼は彼女にある意味、救われたのではないかと思う。
たとえ、罪を償う日々が続いたとしてもきっと、彼はこの母親を愛していくだろうと思わせる結末だった。最後を読んで、自分の胸も熱くなったことを今も記憶している。
(50代 女性)
東野圭吾さんの人気シリーズのひとつである、湯川教授の推理作品で、私が大好きな作品です。このお話には湯川教授の大学時代の同級生である数学者の男が登場し、湯川教授と事件上でバトルを繰り広げることになります。真実が見えた時にわかる、愛する人の為に殺人をしてしまうその容疑者の「献身の姿」に鳥肌が立ち、涙がこぼれました。それほどに人を愛することができるのか自分にはできないなと想像を超えてくるのでどんどん読み進めることができる作品です。(30代 女性)
j・k・ローリング ハリーポッターシリーズ
j・k・ローリング ハリーポッターシリーズがおすすめの理由
とてもテンポ良く、ワクワクと読めました。重い本なのに続きが気になって、持ち歩いて暇さえあれば読んでいました。小説を読む前に映画でのイメージが強かったのですが、かえってそれが小説の面白さを増してくれました。キャスティングや演出が小説の世界感と違和感なく想像力豊かに読めました。映画がなくても充分創造力を湧き立てる文章で、ミヒャエルエンデのように完璧にその世界がある!と信じんでしまう小説です。シリーズを重ねるごとに登場人物達も歳を重ね、その成長過程が見れる(読める)のもリアリティを感じて惹き込まれました。摩訶不思議な世界を描いているのに登場人物の気持ちは、摩訶不思議な世界にいない自分でも共感してしまう、そこが世界中で愛されているポイントなんだろうな、と思いました。(30代 女性)
シリーズ物で1冊1冊が長編になっているのですが、どれもストーリーが楽しく次が気になりさくさく読めました。また、学校が7年生になっていて1冊が1年となっているのでキャラクターの成長も見れました。
話もファンタジーでこちらの想像がとても広がり、自分なりのホグワーツが構成できました。また、実はこの人にはこういった1面があったなど、とても後になってから知ることなどもあるのでいい意味で裏切られるところもあります。
悲しい出来事が多々あったけれども、最後にはいい終わりを迎えたと思います。
(20代 女性)
両親がいない主人公のハリー・ポッター。親戚の家で冷たく扱われているが、実は自分が魔法使いだった事を知り、今までいなかった友達や大切な人達を見つけていくストーリーにワクワクドキドキします。また魔法学校での出来事は、現実の世界では起こらない事ばかりで想像して読み進めていくことがとても楽しみです。最初の伏線も最後には回収されていて、何度も読み返したくなります。個々の登場人物のキャラクターも個性的で全員のファンになります。(30代 女性)
ホグワーツ魔法学校の生徒達は、思春期を迎えて恋に夢中。ハリー、ロン、ハーマイオニーの関係も、友情から愛情へ、複雑に変化していく。このシリーズも、この時点で残り2作。伏線が多く、読み応えがある。宿敵ヴォルデモートも確実に力を蓄え、最終決戦に備えている。2:1に分かれ、今にも壊れそうなハリー達。不安定な関係でヴォルデモートと戦うことができるのか。暗い状況でも諦めない3人に、困難に立ち向かうことの大切さ、勇気を貰った。(30代 女性)
あまりに話題になっていたので、絶対に映画を見る前に読むべきと判断。映画を見るのをしばらく我慢して読み始めました。その判断は大正解。ハリーポッターの世界を存分に楽しむことができました。本を開いて読み始めると、すぐに意識はあの世界に引き込まれます。ハリーポッターシリーズほど、違う世界に没頭させられる作品に出合ったことはありません。子供の時に出会えたのであれば、もっと感動していたような気がします。ぜひ甥っ子、姪っ子にも読ませたい作品です。(40代 女性)
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」がおすすめの理由
1980年代後半の静岡県を舞台に、『たっくん』とマユの恋愛を描いた恋愛小説です。合コンで出会った二人がデートを重ねて付き合い始め、幸せな日々を過ごすのですが、たっくんの就職によって2人は離れ離れに。数多くのすれ違いによってたっくんはマユから離れてしまうのですが、やはりマユが一番だと思いなおしたたっくんがマユのもとへと向かい、2人はハッピーエンド!と、思いきや、最後の2行で大どんでん返しをくらいます。
恋愛小説ではなく、ミステリー小説と言ってもいいかもしれません。作者さんの伏線の張り方、表現の上手さに脱帽します。1回読んだだけでは意味が分からないので、必ず何回も読み返してしまう小説です。(20代女性)
最後の最後に曇天返しすることで有名ですが、それまでの物語も大変引き込まれる小説です。自分が生まれる前の時代設定で、この頃の人たちはどんなことを楽しんでどういう恋愛をしていたのか知ることもでき、面白かったです。そして違和感を感じさせない、気づかせない構成になっているため初めて読んだ時は『すごい…!』と思わず言ってしまいました。そのあと答え合わせに2回目を読むと、また違った面白さがありました。記憶を無くして、もう一度内容を知らないまま読みたいです。(20代 女性)
普段は恋愛ものに興味がないのですが、尊敬している先輩から勧められて読みました。
比較的淡々と、日常が続いていくような作品ですが、そこかしこに小さな違和感が散りばめられ、それが最後にひとつになります。
でも初めて最後まで読んだときは「???」と頭の中にハテナが飛び交いました。
「何これ?誤植?どういうこと?」と思いながらパラパラとページを戻し、読み返し、読了から1時間ほど経って、何かがひらめくように真実に気づきました。
この瞬間の快感は、今でもリアルに覚えています。鳥肌がたち、感動し、震えました。
(30代 女性)
70年代のヒット曲を副題にして、今では聞くことがないレコードもしくはカセットテープのA面、B面(若い方はピンとこないかもしれません)がトリックの重要な要素になっています。この時代に10代後半から20代の方は当時を思い出して懐かしい思いがするでしょう。ミステリーですが厳密な意味での殺人事件や窃盗などの事件の発生はありません、強いて言えば恋愛ミステリーというものなのでしょうか。男女の関係というものは、単純であればいいのに、どうして自ら複雑にしてしまうのでしょうか。(50代 男性)
昭和のにおいがしてきそうな、一昔前の雰囲気が漂う作品です。
1986年から1987年の旧静岡市を舞台に描かれたこの作品は、言ってしまえば最初から最後までが恋愛小説です。
合コンで出会ったマユに奥手ながらもアピールを続ける大学生の鈴木は、なんとか距離を縮めていき、遂には結ばれて恋人同士に。
しかし、就職と同時に地元を離れ、少しずつマユとの距離も広がっていってしまいます。そして、直接的な言葉もないまま、美弥子という新しい恋人を作ってしまい、マユへの罪悪感を抱えながら、昔に想いを馳せるというところでラストを迎えます。
しかし、このラスト2行ですべてがひっくり返るのです!
ラストの2行目だけを読んでも、理解することは難しいでしょう。そして、ネタバレを読んだとしても面白さは伝わりません。
甘ったるい恋愛小説を長々と読み進めたからこそ、このどんでん返しに衝撃を受けるのです。
一部ではこの小説を「ミステリー」と位置付けています。ラスト2行目のたった一文で、恋愛小説がミステリー小説へと変貌するのです。
必ず読み返したくなります。そのように仕組まれているからです。
この衝撃を味わうためには実際に読んでみるしか方法はありません。ぜひ一度お手に取ってみてください。(30代 女性)
住野 よる「君の膵臓をたべたい」
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2位。
読書メーター読みたい本ランキング1位。
埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015年1位。
2016年12月、第3回Yahoo!検索大賞 カルチャーカテゴリ 小説部門賞を受賞。
住野 よる「君の膵臓をたべたい」がおすすめの理由
この小説を読んで、ある膵臓の病気を持った女の子の随所に出てくる奥の深い発言に考えさせられました。「その日の人間の価値はみんな一緒」というような言葉は今でも心に残っています。病気をしている人、健康な人、いろいろな人がいますが、病気の人が先に死ぬとは限らないんです。もしかしたら、不慮な事故で健康だった人が先に死ぬかもしれない。だからこそ、誰もが毎日、生きている時間を一分一秒大切に生きていかないといけないのだと思いました。それからというもの、生きることへの価値観が少しだけ変わったような気がします。(20代 男性)
総評としましては、予想以上に感動するストーリーで展開も予想外でした。読み始めは、よくある典型的なラブストーリーかと思っていましたが、病気なのに明るい女の子(桜良)と目立たない男の子(僕)という組み合わせがこの小説の持ち味となっています。女の子に振り回される男の子が少しずつ変わっていきます。何とも言えない二人の距離がもどかしく、純愛という感じがしました。また、その間、男の子の名前が表記されないのが新鮮でした。最後の展開も予想外で涙がとまりません。(10代 女性)
この作品は話の伏線の張り方が絶妙でした。
ヒロインの山内桜良ちゃんは若くして膵臓の病気になってしまいます。
膵臓の病気で亡くなってしまうと思いきや、なんと通り魔に刺されてしまいます。
この通り魔、実は作品冒頭にテレビのニュースに登場していました。まさかそこが伏線だとは、最初読んでいる時は気付く由もありませんでした。
あともう一つ、僕は映画を先に見たのですが、映画と小説で異なる描写が数多くあったので、そこもまた楽しむことができました。(20代 男性)
この物語は、病気によって余命が残りわずかな少女とその少女の秘密を知った男性が中心となって展開していきます。
少女は、自分があと少しで死んでしまうことを、ずっと男性に隠していたが、ある日そのことを打ち明け主人公の少女が死ぬまでにやりたいことを、男性が一緒に付き合ってあげたところに感動しました。少女はこれまで人とのかかわりを避けていましたが、その男性には少しずつ心を許すようになり、その過程に引き込まれ、目が離せなくなりました。
(20代 男性)
主人公の僕は人を必要としない冷たい人間。
僕のクラスメイトのさくらは僕とは正反対でクラスでも人気者の明るい女の子。
ある日、僕はさくらの秘密を知ることとなり物語がスタートします。
物語の中でさくらが僕を呼ぶあだ名が変化していきます。それが2人の関係性と心の移り変わりを意味していて、青春時代を思い出しすごく懐かしい気持ちになりました。
また、さくらは共病日記というものをつけていてその中で自分が死ぬまでにしたい事をあげています。
その内容が自分にとってやろうと思えばできるような当たり前のことばかりで
そんな当たり前が当たり前である日常に幸せを感じることができました。
『君の膵臓を食べたい』題名のこの言葉の意味はきっと読んだ人によって捉え方は異なってくると思います。正解がないこの言葉と2人が出会って、 離れるまでの日々がいまの私が諦めて見過ごしてしまっていた時間のように感じました。
ぜひ沢山の方に読んでいただきたいです。(20代 女性)
東野圭吾「マスカレード・ホテル」
東野圭吾「マスカレード・ホテル」がおすすめの理由
東京都内で起こった3つの殺人事件は、不可解な数字の羅列であり、それが緯度で、四つ目の方角が、ホテルコルテシア東京であった。警視庁捜査一課の新田刑事は、ホテルのフロントクラークに化けて、犯人を突き止めることにした。新田刑事の教育係に任命されたのは、山岸尚美だった。次々と現れる宿泊客。刑事として犯人を逮捕したい新田刑事とお客さまのサービスを大事にする尚美と合わなかった。お互い、最初は衝突するが、次第に理解し合うようになる。犯人は、仮面を被った意外な人物だった。(50代 女性)
ホテル・コルテシア東京が舞台となっており、ホテルマンの山岸と警察官の新田の掛け合いが面白いです。元々は、3つの連続殺人事件に関連して第4の事件がコルテシア東京で行われると予告されたことから、警察の潜入捜査が始まりました。
どちらもそれぞれの仕事にプライドを持っており、仕事に対する意識が勉強になりました。ホテルマンは、お客様の仮面を剥がしてはならないという言葉も印象に残りました。事件解決への伏線など、見どころも満載です。(30代 女性)
この小説は連続殺人の次の現場であるホテルに刑事の新田がホテルマンとして潜入捜査んして犯人を探す!という感じで物語が始まります。
刑事とホテルマンは身なりが全く違いますし、最初は腑に落ちなさそうな新田がホテルの仕事に慣れてホテルマンになりきっている所がなんだかおもしろかったです。
最終的に指導役の山岸と意気投合していていい感じに発展していくので、応援したくなりました(笑)
そんな中でホテルに訪れる客、一人一人に目を凝らし犯人が分かるのですが、私が想像していなかった展開で不意をつかれました。(20代 女性)
連続殺人事件の捜査のためホテルの従業員に扮した刑事が奮闘する話です。実際にはありえないことだとは思いますが、ページをめくる手が止まらなくなるテンポの良さにハマってしまいました。主人公の人間臭いところに共感できるところもあり、その一面が設定の非現実さを和らげているので、違和感なく読み進めることができました。また、ホテル業界の裏側なども小説の中から読み取ることができるので、今後自分がホテルに泊まるときの従業員を見る目が変わってしまいそうです。お客一人一人に合わせた接客をしているのを見ると、自分は客として迷惑をかけないようにしようと思いました。(20代 女性)
高級ホテルを舞台に殺人事件が起きる物語です。
ホテルを訪れる様々なお客様に対し丁寧なサービスをするホテルマンと、お客様を疑う刑事との立場、視点の違いが面白く、序盤から入り込むことができます。
そして殺人事件が起きるのですが、その辺のストーリーはかなり緻密で、上手く読者をミスリードさせる展開だったため、私もすっかり騙されてしまいました。
伏線の回収も見事で、最後には全て納得の形で終焉を迎えます。
ミステリーとしても極上ながら、社会人としても仕事に対する情熱や働く意義について改めて考えさせられる小説でした。(30代 女性)
百田尚樹「永遠のゼロ」
第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。
百田尚樹「永遠のゼロ」がおすすめの理由
第二次世界大戦時の一人の海軍航空兵の物語は、リアルな戦線や壮絶な状況を描いているが、主人公はまるで明鏡止水のような人柄だった。この部分だけは、ちょっと美化され過ぎかもしれないが、総括的には良かった。戦争の恐ろしさや悲惨さよりも、平和な現代にいる私たちに対して、生きるということ、生き方について考えろというメッセージを強く感じた。涙なくしては読めない小説だが、悲しいから泣くのではなく、魂を揺さぶられているような感覚だった。(40代 女性)
基本的に戦争の物語は好きではありませんでしたがあまりにも大反響だったので興味を持ったのが読んだきっかけです。
これは、絶対に読むべき本でした。戦争の悲惨さだけでなく今では当たり前だと思っていることがどれだけ幸せなことなのかどれだけ平和なのかを実感させられました。
読むにつれて物語に引き込まれていきます。中盤からは涙が止まりませんでした。
これほど感動した小説はありませんでした。
命、家族の大切さを教えてくれた本です。(40代 女性)
約80年前の第二次世界大戦中、戦争反対などと言えば非国民と非難される世の中において、軍隊に入れば上官の言うことに逆らえなかったり、何か気に入らないことがあるとすぐに暴力をふるったりするような悲惨で卑怯で悲しい、想像を絶する戦争を描いた小説です。自分の考えを持っていて他人からどう見られようと、その信念を貫くことが難しかった時代にこんな日本人がいたのだと思いました。もし、こんな日本人ばかりだったら、あの悲惨な戦争は起こらなかったのかもしれません。そんなことを考えながら何度も読みました。戦争を題材にした小説を読むたびに、二度と戦争をしてはならないと強く思います。(40代 女性)
この物語がフィクションだとしても、かなりリアル感があるストーリーで主人公の描き方がとても良い。孫にあたる2人にしても、親近感を感じて次から次へと変わる2人の心境がとても興味深い。切なくて、悲しくて、戦争の怖さや、人間の愚かさをあからさまに表現出来ていると思う。右翼の活動には感心がないけれども、映画を観た後に靖国神社の資料館を訪れて戦死した人達の悲哀を胸に刻みました。日本人なら、一度は観た方良い映画です。(50代 男性)
東野圭吾「人魚の眠る家」
東野圭吾「人魚の眠る家」がおすすめの理由
水の事故によって植物状態になってしまった少女。家族の献身的な介護のおかげで、血色もよく、眠っているようにしか見えない。しかし、この状態を生きていると言えるのか。少女を救うために奔走する、家族やボランティアを描く。臓器提供を待っている人がいる、最後の1秒まで、生かしてあげたいと願う母親。どちらも正しくて、どちらも間違っている。答えは一生出ないだろう。愛する人を苦しめないように、意思表示の大切さを痛感した。(30代 女性)
私ならどうするか、とまず考えました。
さっきまで元気に走り回っていた可愛いわが子が、突然脳死状態と告げられたら。
意識のないこの子は何の為に生きているのか?
母のエゴ、祖母の負い目、技術者としての父の在り方、世間と家族の狭間でもがく弟、吐き出せない従妹。
それぞれが真剣にみずほちゃんに向き合い、ぶつかり、悩んで泣いて、答えを出そうとしている描写が、苦しいけど愛おしく感じました。
悲しいけど小さな命がどう繋がっていくのか見届けたくなる作品です。
(20代 女性)
愛する娘のために全力を尽くす母親のストーリーがとても切なく、感動するストーリーになっています。娘のことを思ってやったことで、どんどん母親を苦しめてしまうことになるのがとても辛いところでした。もう一度だけ目を覚まして欲しい、もう一度笑った顔が見たいと強く願う母親の気持ちがとても伝わってきてすごく感動するところです。今まで娘のために頑張ってきた母親に娘が上げた最高のプレゼントに涙が止まりませんでした。(20代 女性)
有川浩「図書館戦争」
『別冊図書館戦争I』は「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2008」恋愛小説部門第1位。
2015年 テレビドラマ『図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ』
映画第2作『図書館戦争-THE LAST MISSION-』放送・公開
いずれも主演岡田准一 榮倉奈々 。
有川浩「図書館戦争」がおすすめの理由
図書をめぐり、規制する政府と守ろうとする図書隊。設定に無理があるのでは?と思わなくは無いですが、細かい描写までよく書かれていて、情景が目に浮かびます。
女性主人公(ノッポ)と男性教官(チビ)との掛け合いは面白く、徐々に恋愛に発展していく様はキュンキュンします!
とにかく男性教官が格好良すぎます!
2人を取り巻く人達もとても魅力的なキャラクターばかりで、暗い部分も有るのですが、それを感じさせないコミカルなやり取りが有ります。それぞれ短編のスピンオフ小説が有り、そちらもオススメです。(40代 女性)”
図書館で表現の自由を守るために戦うというアクションあり、ラブコメありなエンターテイメント作品!差別や虐待など重いテーマを取り上げることも多く、読んでいて胸が痛くなるようなところもあるが、登場人物たちが信念を持ってそれらを考えて越えていくところが本当に格好いい。登場人物たちがみんなそれぞれに強くて格好良くて魅力的。ラブコメ部分はテンポが良くて声を出して笑ってしまうし読んでる方が恥ずかしくなるくらい振り切って恋愛してくれている。何度も読み返したくなる作品。(20代 女性)
図書館戦争は私の高校時代の一番好きだった小説です。お話自体は、読みやすく、私は恋愛小説という目線で読んでいました。昔あったヒーローのようになりたい主人公と、その過去を恥ずかしく思っている上司の関係が喧嘩をしながらもお互いに気にかけていて純粋な恋愛に胸がキュンキュンしました。それだけではなく、戦争という名の通りいろいろな策略を巡らせて本の自由を掴み取ろうという姿勢に感動しました。この小説はメインキャラクターたちだけではなく脇役というか、周りにいるキャラクターたちが生きていて彼らが主人公の話も読みたいと思わせてくれるほど欠かせない存在です。アクションであったり、恋愛であったり、ちょっとしたミステリー要素もあり、男女問わずに親しめる本だと思います。(10代 女性)
「メディア良化法」という表現の自由を制限する法律が制定された架空の未来を描いた小説です。それに立ち向かう図書隊という組織に所属する女の子・笠原郁が主人公の物語なのですが、戦いを描いたアクションシーンはもちろんのこと、特に上司である堂上教官との恋の行方にきゅんとするシーンが満載で何度も読み返すほど大好きな話です。また、郁と堂上教官以外にも、笑う正論・小牧教官と幼なじみの毬江ちゃん、美人で情報通な郁の同期・柴崎と手塚など周囲のメンバーの恋模様も素敵なので恋愛小説が好きな方に特におすすめです。(20代 女性)
浅田次郎「壬生義士伝」
ギャラクシー賞選奨・ATP特別賞・橋田賞を受賞。 主演渡辺謙 高島礼子
浅田次郎「壬生義士伝」がおすすめの理由
主人公である吉村貫一郎の、牢に入った状態での独白から始まる物語です。
それぞれ彼を知る人物へのインタビューが続く展開ですが、人々が語る吉村貫一郎像が面白いです。
いろいろなイメージがあり、新撰組における最強の剣士ですが、剣士としての強さよりも、彼の父親としての強さが際立っています。
困窮している家族を養うため、藩を出て、新撰組に入隊した彼は、金の亡者のようなふるまいを続けますが、それはすべて家族のため。
新撰組隊士、斎藤一との奇妙な友情のような交わりも見逃せません。
吉村貫一郎から、新撰組隊士や友人、特に家族への繋がりが胸を打つ、素晴らしい小説です。(30代 女性)
歴史小説には、作中の史実と創作を自分なりに織ってみる面白味があると思います。誇り高き武士でありながら、家族の生活を第一義として脱藩し、新選組に身を投じた主人公。その生きざまは、平和に麻痺した現代の私の心に突き刺さります。己の義を貫きながら、明治維新という大きなうねりに翻弄された男の物語です。維新の戦ははたして何だったのでしょう。現代の私たちがその答えをだす番なのかもしれません。主人公・吉村貫一郎のように、身近な人を愛することから始まるのだと思います。(50代 女性)
幕末に生きた東北南部藩の一人の武士。脱藩して「汚名」に耐えても家族の為に生きる姿。この小説には「時代」「人間としての生き方」「組織」「歴史観」等々様々なことを考えさせてくれるものがある。「幕末」を生きた人間が「どのような立場にいたか」で歴史観は相当変わってくると思う。政治体制ではなく「時代と生まれた場所、立場」に翻弄されて生きながらも「人間らしさ」を保つために「冷酷な人間」と思われることを重ねていく主人公とその周囲にいる人間の「冷たさと暖かさ」を繊細に描いていると思う。若い」世代に読んでほしいと思う一冊。(60代 男性)
東野圭吾「手紙」
第129回直木三十五賞候補作品。
2018年テレビドラマ化 主演 亀梨和也 佐藤隆太 本田翼
東野圭吾「手紙」がおすすめの理由
自分の兄が犯罪者となり、その遺族として肩身の狭い生活、人との交流を避けて生活している主人公の心の描写が映像に映し出されるようにわかりやすく明確でした。
また、主人公の恋愛に関しても、出会った女性どの交際を兄が犯罪者ということで彼女の親から反対されどうしようもない中で葛藤し、兄恨みながら生活していく主人公も切なさがありました。そんな兄を恨んでいた主人公も結婚して、子供が生まれて家族にも色々と嫌な思いをさせてしまっている中で、変化として最後のシーンで兄のいる刑務所で歌を歌ったシーンは心が生まれました。(40代 女性)
映画も小説もどちらも夢中になった作品です。加害者の弟が、周りから受ける差別や偏見に悩み苦しむ姿が悲しく描かれた物語です。
兄が空き巣に入り帰宅した老婦人と揉み合い、誤って殺してしまいそこから弟の苦労が始まります。大学進学を
諦め、兄の事件により住む所や職場を転々と終われるようになります。希望の仕事に付いても兄の事件でまた追われるように去ると行った繰り返しの中、唯一兄の事件を知っても動じす寄り添ってくれる女性と家庭を持つ事が出来ます。しかしまた兄の事が明るみになり、今度は娘にも同じ差別や偏見の矢が刺さります。でも会社の会長が諭す言葉に後になって励まされます。
この話は実際に起きてる事実であり、残酷ではあるが会長の言葉が真実を付いていてその問題にどう立ち向かうか諭しています。綺麗事で言うのは簡単です。でも身近に同じ環境の人がいたら自分はどうするか?答えは難しいと考えさせられる物語です。
(50代 女性)
犯罪被害者をテーマに書かれた作品は数多く存在するが、こちらは殺人犯の弟に視点をおいた作品となっております。自分は何も悪い事をしていないのに兄が殺人犯になってからは自分も世間から冷たい目で見られ、肩身を狭く生きていかなければならない現実。主人公は兄を恨み絶縁したい、しかし兄は自分の為に犯罪を犯してしまったことから責めたくても責めきれない感情に悩まされる主人公の感情に読み入ってしまいます。兄弟で互いを思いやるやり取りに涙しました。(20代 女性)
池井戸潤「下町ロケット」
第24回(2011年)山本周五郎賞候補作品。
2012年 TBSラジオ ラジオドラマ化
2015年 TBS日曜劇場 第1作/第2作『下町ロケット2 ガウディ計画』テレビドラマ化
2018年 TBS系の日曜1劇場 第3作『下町ロケット ゴースト』、第4作『下町ロケット ヤタガラス』ドラマ化 。
池井戸潤「下町ロケット」がおすすめの理由
ドラマより後に小説を読んでいるためか、その違いを確認しつつ、予想通りのハッピーエンドとなったことは良かったと思います。
所謂、最近には珍しい勧善懲悪となっている事は、むしろ新鮮さを感じました。どの場面が印象的なのかという事もなく、印象的なセリフも少なかったように思えます。
昭和の初期の話と言っても過言ではないような内容は、体育会系の匂いもするほどのものでした。
いろいろ、工夫して仕込んでいる内容も、目新しいものではなく、全体的に淡々とした印象でした。(40代 男性)
中小企業の社長が社員たちと一眼になって、会社の困難に立ち向かう姿がとても胸を打たれました。大企業の帝国重工とのやり取りがとてもハラハラさせられました。ライバル会社が多い中、下町の精密機械工業の会社がどのようにして成功を勝ち取れるのかと読んでいてとても引き込まれました。。現代の中小企業の機械製造業の大変さや生き残りにも性通する展開もとても興味深くてとても面白い小説だと思います。人情深いお話しに感動しました。(40代 女性)
小川洋子「博士の愛した数式」
主演寺尾聰 深津絵里
小川洋子「博士の愛した数式」」がおすすめの理由
80分しか記憶がもたない数学博士と、博士の生活のお世話をする家政婦、家政婦の息子との心の交流を描いた作品。
日常の何気ないやりとりから、数字の不思議や楽しさが伝わり、ついつい数学のドリルを取り出して解いてみたいとさえ思う。
博士の短い記憶や気むずかしい性格に当初は翻弄される家政婦であったが、数式について熱く語る姿や、自分の息子に正面から向き合ってくれる博士に次第に親しみや尊敬の念を抱くように。
人生の折々に何度も読みたくなる心温まる小説だ。(20代 女性)
天才数学者と呼ばれた博士が事故により記憶が80分しか持たない、中でも、常に数学の事を考えて計算している姿は数学そのものを愛していることを誰が見てもわかるくらいでした。そんな博士の所に、家政婦と息子ルートが加わり、ルートに博士が数学を教える姿がとても素敵でした。最後にルートは数学の先生になることになると分かるのですが、博士の数学の素晴らしさ、愛がルートにも伝わったのだと思うと同時に、教える人は、そのものに愛情を持っていれば、伝えたい相手にもよく伝わるのだなと思い、学校の先生を志している方などにも是非推薦したい小説でした。この小説は心理フィクションです。
(20代 女性)
川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」
川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」がおすすめの理由
オムニバス形式になっていて、それぞれの主人公たちの相手に対する想いが伝わってきて、心に迫るものがありました。その時に、気持ちは素直に伝えなくては、後で後悔しても時は戻ってこないんだよと教えられたようでした。小説では、過去に少しだけ戻れるという空想ならではの世界が繰り広げられて、その世界に引き込まれました。前評判で、涙が溢れて止まらない…ということを聞いていたのですが、涙が出るというより、ジワーと心に染み入るような作品でした。(40代 女性)
小説の表紙にも歌っているのですが、本当に4回泣けます。小説を読んで初めて涙しました。
この小説は過去に戻る話なのですが、過去に戻って何をしても現実は変わらないんです。では、何の為にみんな戻るのか、とても考えさせられました。誰もが一度は経験あるはずです。あの時ああしておけば何か変わっていたのかな。と言う後悔。この本は例え現実は変わらなくても、自分の考えを少し前向きになれば未来を変えることができる。と教えてくれる、そんな小説でした。(20代 女性)
ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
1966年に長編小説として改作。ネビュラ賞受賞。