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【2019年】ミステリーから恋愛、泣ける小説まで!実写映画化された原作のおすすめ小説75選

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「あなたのオススメ!映像化された小説」でアンケートを実施。
191名の方にご参加いただきました。
性別問わず、年代は10代から60代以上の方まで。
幅広い年代の方のジャンルレスmyオススメ小説。
感想も様々。十人十色でとても自由です。
191名の感想文の中に、あなたの読書欲を刺激する新しい出会いがあるかもしれません。

目次(クリックすると、好きなところからお読み頂けます)

ドラマ化/映画化された小説おすすめ作品

東野圭吾「白夜行」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第122回直木三十五賞候補作品。
つばめくん
つばめくん
2006年TBS系テレビドラマ化 主演山田孝之 綾瀬はるか
第48回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では本作が4冠を達成。

東野圭吾「白夜行がおすすめの理由」

テレビドラマにも映画にもなった東野圭吾の作品の中でも大人気の小説ですが、個人的にはドラマの方が好みでした。小説では山田孝之演じる[桐原亮司]と綾瀬はるか演じる[唐沢雪穂]の二人が直接会っているシーンは書かれていませんがドラマ版では二人が直接会ってやりとりしているシーンがしっかり映像化しているので小説を読んでわからなかった場面も理解することができます。小説はすごく分厚く、シーンが飛び飛びだったりするので想像で楽しむ感じでしたが、ドラマでは答え合わせのように見ることが出来て楽しかったです。(30代 女性)

ミステリの最高峰…衝撃的な内容でした。質屋刺殺事件の被害者の息子の亮司と加害者の娘雪穂が何かしら繋がりがあり、事件のキーパーソンである事は早い段階で解ったけど、手掛かりがなく、分厚い文庫本を先が気になってついつい夜更かしして読み進めてしまった。 二人の心の闇は深く、救いの手は差しのべられない。しかも、最後に、こういう結末が待っているとは…。同情する余地は全く無いはずなのに、2人の生まれ育った環境を考えると、悲劇としか言いようがない…。読み終えた時、何か…後味の悪さが残りました。
続編の『幻夜』と合わせて読む事をオススメします。
あと、山田孝之主演のドラマ『白夜行』も、オススメします。小説の世界観が味わえるし、ラストが小説とは違っていて、少しですが救われた気になります。(40代 女性)

救いようのない重く苦しい物語でした。子供の頃に自分たちを守るために引き返せない悪事を犯した二人は大人になってからもその道を続けます。彼らの生き方のせいで、言い訳なんてしようもない全く落ち度の純粋な被害者が何人も生まれてしまいますが、それでも主人公たちを心から憎めないと思ってしまいます。たぶん彼らが悪事を働くことで幸せになって高笑いしていたら軽蔑できたのかもしれませんが、そうではないままだったからでしょう。(40代 女性)

とても明るいとは言えない小説です。彼は彼女の影となり、ずっと守り続けている。実写版では「山田孝之さん」と「綾瀬はるかさん」が主演をつとめました。お二人は「世界の中心で愛を叫ぶ」でも共演されていて、私はこのお二人の世界観が大好きです。お名前を忘れてしまって申し訳ないのですが、お二人の子供時代の役を演じた子役さん達もとても良いお芝居をされていたのを記憶しています。私はドラマを見てからの小説に入ったのですが、小説の独特の世界観をとても良く表現されていたのではないかと思います。大好きな作品の一つです。(30代 女性)

大阪の廃墟ビルで質屋を経営する男が殺されて、容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りしてしまうことになる。事件の重要人物である被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂は、全く別々の道を歩んでいくことになるのだが、二人の周囲に犯罪の形跡が見え隠れする。しかし、何も「証拠」はないまま十九年の歳月が流れてしまう。この年月の間に心を失った人間の悲劇を描いている息詰まる緻密なストーリーに驚愕を覚えます。(60代 男性)

最初はドラマから入り、映画を見て、小説を読みました。一ページでも早く読みたくて、ご飯を食べる間も、寝る間も半惜しんで時間を費やしました。小説ではいろいろ不明なまま進行するので、終始気持ち悪い雰囲気で、結末も後味が悪い感じがしました。なんだか許せないというか、もっといい道があったんじゃないかとか。大人って汚いなぁとか、時々涙してしまう瞬間もありました。ただ、主人公の女性が性的虐待を受けてから一人逞しく起業までし、経営者となった姿はとても印象的でした。(20代女性)

あまり小説を読んだ経験がなく、ふと手に取って読んでみようかと思った小説でした。
最初は幼少期から大人になるまでの男女のそれぞれの人生が描かれていて、どんな物語なんだろうと思っていました。
どんな風に結びつくのか最初は全く想像ができませんでしたが、読み進めると内容がリンクしはじめてどんどん引き込まれて先が気になって一気に読んでしまいました。
最後はスッキリせず切なさと無念さが残っ作品でしたが、これがきっかけで東野圭吾の作品はいつも気になるようになりました。(30代 女性)

親を殺してしまった幼なじみ同士が、人生の中で光と影のように寄り添いながら共に生きていく姿を描いている。犯罪を犯してしまうと、それを隠して幸せになることはできない。決して。それが例え仕方の無い、どうしようもない理由があったとしても。ドラマでは何故親殺しをしてしまったか、そしてそれを隠すために罪を重ねていく様子やいきさつが分かりやすく描かれているが、小説では淡々と進むなかで読み解いていく感じで、ドラマよりも映画の作品の方が小説に近いと思った。心が苦しくなるような、考えさせられる作品。(30代女性)

映画化、ドラマ化どちらもされています。何回見てもとても切ない気持ちになり、やりきれない気持ちが出てくる話だと思いました。ハッピーエンドで終わる話が多いですが、最後まで明るい話にならずに終わってしまう物語は珍しいと思います。男女2人がお互いを思いやり、必死に生きていく姿は生き方を考えさせられます。
暗い話だと思ってしまいますが、惹き付けられる部分が多く次々と読んでいきたくなる内容になってたのですぐに読むことが出来ました。(20代 女性)

湊かなえ「告白」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第一章「聖職者」が小説推理新人賞を受賞
2008年 週刊文春ミステリーベスト10で第1位。
2009年 本屋大賞受賞作。
つばめくん
つばめくん
2010年映画化 主演松たか子 岡田将生 木村佳乃
第34回日本アカデミー賞 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞
他、数々の映画祭で賞を受賞。

湊かなえ「告白」がおすすめの理由

可愛い愛娘が自分の教え子に殺されたと教室で告白する場面から背筋がぞっとしました。ただ告白しただけではなく、既に復讐が始まっているという現在進行形の中で起こる愛娘の母親である女性教師や犯人の生徒とその母親、そしてクラスの委員長の女子生徒の心
中での心理状態が捉え方によっては加害者になったり被害者になったりと読者を回想させるあたりは、さずが湊かなえ作品だなと痛感しました。この小説を読んでいくうちに本当の犯人とは誰なのかよりも、何故その事件が起こったのかのほうが気になる作品だと思います。(40代 男性)

この小説は、中学生の頃に初めて読みました。
一度読み終えたときは、どういう事?とあまり理解できませんでした。何より辛い気持ちが残ったのを覚えています。しばらく経って、もう一度読み直してみようと思い、二度目を読み終えたとき、ようやくこの物語を理解することができました。当時、中学校は給食だったので、この物語と少しダブルところがあって、ありえない事ですが、少しそれを重ねてしまったりしていました。人間の本質や命について、中学生ながら考えましたし、良い出会いだったと思います。(20代 女性)

だいたいの小説が最後には謎が溶けて解決したり、感動で終わったりとするのですが、この作品は読み終わってもいやな気持ちでモヤモヤとした結末を迎える何とも言えないものでした。でもたくさんの伏線がどんどん回収されていく気持ちよさは、つい何度も読みたくなる作品です。これがイヤミスの魅力なのかもしれません。私はすっかりハマってしまいました。映画化と聞き、あの世界観をどのように表現するのか楽しみにしていましが、見事に映像化されていました。(30代 女性)

愛美はこのクラスの生徒に殺された。ホームルームでの担任の告白により、騒がしかった教室が、次第に緊張感に包まれていく。法に守られている中学生。彼らは守る必要があるのか。そして、殺されたというのが本当なら、どのように罰を与えるのか。淡々と語られていく真実。語りだけで、ここまで人を怯えさせることができる。作者の処女作だが、こんな作品を世に出して大丈夫なのか。人間の負の部分を、しっかりと感じることができた。(30代 女性)

話題作でしたが、しばらく経ってから読みました。
ある教師の「告白」から物語はスタートするのですが、もう続きが気になって一気に読んでしまいました。
最初の「告白」は衝撃でした。そこからの怒涛の展開、最高です。
読み終わった後は、映画も見てまた違った「告白」に感動しました。
実写映画化には色々な意見があると思いますが、私は大成功だと思います。
友人たちとも語り合いたくなるような作品です。
まだ見ていない人にも自信を持って勧められる作品です。(20代 男性)

ミステリーですが、謎解きなどではなくあとからじわじわとくる恐怖が面白かったです。動機や目的などもわからずただの学校の物語かと思いきや、衝撃な内容だというのも楽しかったです。主人公の思いや気持ちなども字から伝わってきたので、見ているこちらにも感情が入ってくるかなと感じました。そして、こうした出来事が現実にも起こりえなくはない話だなと考えたら、どんな相手に対しても多少の疑問などは抱きながら生きていこうとも思えました。(20代 女性)

湊かなえさんのデビュー作、イヤミスの傑作だと思います。愛娘を殺された女教師の復讐のお話です。クラスのホームルームで自分の娘は事故死ではくこのクラスの誰かに殺されたと伝えていきます。たんたんと教師のモノローグが続くのですがぐいぐいひきこまれます。生徒に対する復讐で主犯の生徒に対してはじわじわ真綿で首をしめていくように攻め、嫌な話ではあるのですがついつい感情移入してしまい応援してしまいます。自分も残酷な人間だと言うことを再確認しまう作品でした。(40代 女性)

東野圭吾「容疑者Xの献身」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞受賞作。
『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位。 
アメリカ図書館協会最高推薦図書(ミステリー部門)
つばめくん
つばめくん
2008年映画化 主演福山雅治 柴咲コウ 堤真一

東野圭吾 「容疑者Xの献身」がおすすめの理由

冴えない1人の男性が初めて本気で人を心から愛し、その人の為に犯罪を犯す純愛の物語。謎を解明していけばいくほど、何が正義なのか分からなくなる程切なくなりました。
読み進めれば進めるほど、石神の巧妙な完全犯罪の計画がどうなって行くのか面白くて引き込まれていく本です。
友人を疑い、その犯罪のトラックを暴いていかなければならなかった湯川の切なさも読んでいて苦しかった。
最後石神が泣き叫ぶところが苦しくてミステリー小説なのに涙が止まらなかったです。
(40代 女性)

映画化する前から読んでいたんですが、もし映画化するなら
湯川学役は俳優の井浦新が合ってると思う。
福山雅治も合っているが、なんだか物足りない。
柴咲コウは、ピッタリなんだけどね。
シングルマザーと、その娘が元旦那を殺害するのは衝撃だったんですが
それ以上に数学教師のトリックが凄いと思います。
元旦那に蹴られている娘を助ける為に殺すなんて。
警察に相談すれば元旦那が家を訪ねてくることなんてなかったと思います。
全く罪のないホームレス殺すなんてかわいそう。
騙されたホームレスも馬鹿みたい。
最後はシングルマザーが出頭してくれたからよかった。
娘は分からないけど。
このストーリーを考えた東野圭吾は天才だと思います。(30代 女性)

さえない主人公が主人公のこの話。
隣人に恋をするのですが、
その片思いの切なさがたまらなかったです。
その思いから主人公が加害者の身代わりとなり、殺人をしたことを告白します。
身代わりになるなんて、すごく相手を思っていたんだなぁ・・とジーンとしてしまいました。
そしてそれを暴く湯川先生。
友人が殺人者なのかを暴いていくのは複雑な心境だったでしょうが、
そのあたりの心境も読み取ることができて、あっという間に読んでしまいまいました。
とにかく先が気になり、一気に読んだ作品です。(30代 女性)

弁当屋で働く母子家庭の一家が住むアパートに別れた夫が強引に入り込み、母子が元夫を殺害することから事件が始まる。この時間の証拠隠滅を手伝うのが主人公の石神だが、この主人公の弁当屋のおかみさんを思う気持ちがとても切ない。好きな人を守りたかった主人公、これ以上石神に迷惑はかけられないと最終的に罪を認めてしまうおかみさん。ラストシーンは心が痛くなった。あの湯川が苦戦するほどの好敵手が相手となっているため、トリックが明らかになった時の衝撃や爽快感もひとしお。(20代 女性)

隣に引っ越してきた母娘のために自分を犠牲にして、その母親の為に人殺しをした
数学では素晴らしい力を持っていた男性が切なかった。
最後に母親が、自分が悪いと出頭してきた時の彼の泣き叫びは、とても印象に残った。
残りの人生をこの母娘のために捧げようとしていながら、この母親に愛情を持っていた彼は彼女にある意味、救われたのではないかと思う。
たとえ、罪を償う日々が続いたとしてもきっと、彼はこの母親を愛していくだろうと思わせる結末だった。最後を読んで、自分の胸も熱くなったことを今も記憶している。
(50代 女性)

東野圭吾さんの人気シリーズのひとつである、湯川教授の推理作品で、私が大好きな作品です。このお話には湯川教授の大学時代の同級生である数学者の男が登場し、湯川教授と事件上でバトルを繰り広げることになります。真実が見えた時にわかる、愛する人の為に殺人をしてしまうその容疑者の「献身の姿」に鳥肌が立ち、涙がこぼれました。それほどに人を愛することができるのか自分にはできないなと想像を超えてくるのでどんどん読み進めることができる作品です。(30代 女性)

j・k・ローリング ハリーポッターシリーズ

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
大英帝国勲章、ローカス賞、ヒューゴー賞、アストゥリアス皇太子賞、アンデルセン文学賞、英国アカデミー賞受賞。
つばめくん
つばめくん
2001年映画化(シリーズ化) 主演ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン

j・k・ローリング ハリーポッターシリーズがおすすめの理由

とてもテンポ良く、ワクワクと読めました。重い本なのに続きが気になって、持ち歩いて暇さえあれば読んでいました。小説を読む前に映画でのイメージが強かったのですが、かえってそれが小説の面白さを増してくれました。キャスティングや演出が小説の世界感と違和感なく想像力豊かに読めました。映画がなくても充分創造力を湧き立てる文章で、ミヒャエルエンデのように完璧にその世界がある!と信じんでしまう小説です。シリーズを重ねるごとに登場人物達も歳を重ね、その成長過程が見れる(読める)のもリアリティを感じて惹き込まれました。摩訶不思議な世界を描いているのに登場人物の気持ちは、摩訶不思議な世界にいない自分でも共感してしまう、そこが世界中で愛されているポイントなんだろうな、と思いました。(30代 女性)

シリーズ物で1冊1冊が長編になっているのですが、どれもストーリーが楽しく次が気になりさくさく読めました。また、学校が7年生になっていて1冊が1年となっているのでキャラクターの成長も見れました。
話もファンタジーでこちらの想像がとても広がり、自分なりのホグワーツが構成できました。また、実はこの人にはこういった1面があったなど、とても後になってから知ることなどもあるのでいい意味で裏切られるところもあります。
悲しい出来事が多々あったけれども、最後にはいい終わりを迎えたと思います。
(20代 女性)

両親がいない主人公のハリー・ポッター。親戚の家で冷たく扱われているが、実は自分が魔法使いだった事を知り、今までいなかった友達や大切な人達を見つけていくストーリーにワクワクドキドキします。また魔法学校での出来事は、現実の世界では起こらない事ばかりで想像して読み進めていくことがとても楽しみです。最初の伏線も最後には回収されていて、何度も読み返したくなります。個々の登場人物のキャラクターも個性的で全員のファンになります。(30代 女性)

ホグワーツ魔法学校の生徒達は、思春期を迎えて恋に夢中。ハリー、ロン、ハーマイオニーの関係も、友情から愛情へ、複雑に変化していく。このシリーズも、この時点で残り2作。伏線が多く、読み応えがある。宿敵ヴォルデモートも確実に力を蓄え、最終決戦に備えている。2:1に分かれ、今にも壊れそうなハリー達。不安定な関係でヴォルデモートと戦うことができるのか。暗い状況でも諦めない3人に、困難に立ち向かうことの大切さ、勇気を貰った。(30代 女性)

あまりに話題になっていたので、絶対に映画を見る前に読むべきと判断。映画を見るのをしばらく我慢して読み始めました。その判断は大正解。ハリーポッターの世界を存分に楽しむことができました。本を開いて読み始めると、すぐに意識はあの世界に引き込まれます。ハリーポッターシリーズほど、違う世界に没頭させられる作品に出合ったことはありません。子供の時に出会えたのであれば、もっと感動していたような気がします。ぜひ甥っ子、姪っ子にも読ませたい作品です。(40代 女性)

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第58回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作品。
つばめくん
つばめくん
2015年 映画化 主演 松田翔太 前田敦子 木村文乃

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」がおすすめの理由

1980年代後半の静岡県を舞台に、『たっくん』とマユの恋愛を描いた恋愛小説です。合コンで出会った二人がデートを重ねて付き合い始め、幸せな日々を過ごすのですが、たっくんの就職によって2人は離れ離れに。数多くのすれ違いによってたっくんはマユから離れてしまうのですが、やはりマユが一番だと思いなおしたたっくんがマユのもとへと向かい、2人はハッピーエンド!と、思いきや、最後の2行で大どんでん返しをくらいます。
恋愛小説ではなく、ミステリー小説と言ってもいいかもしれません。作者さんの伏線の張り方、表現の上手さに脱帽します。1回読んだだけでは意味が分からないので、必ず何回も読み返してしまう小説です。(20代女性)

最後の最後に曇天返しすることで有名ですが、それまでの物語も大変引き込まれる小説です。自分が生まれる前の時代設定で、この頃の人たちはどんなことを楽しんでどういう恋愛をしていたのか知ることもでき、面白かったです。そして違和感を感じさせない、気づかせない構成になっているため初めて読んだ時は『すごい…!』と思わず言ってしまいました。そのあと答え合わせに2回目を読むと、また違った面白さがありました。記憶を無くして、もう一度内容を知らないまま読みたいです。(20代 女性)

普段は恋愛ものに興味がないのですが、尊敬している先輩から勧められて読みました。
比較的淡々と、日常が続いていくような作品ですが、そこかしこに小さな違和感が散りばめられ、それが最後にひとつになります。
でも初めて最後まで読んだときは「???」と頭の中にハテナが飛び交いました。
「何これ?誤植?どういうこと?」と思いながらパラパラとページを戻し、読み返し、読了から1時間ほど経って、何かがひらめくように真実に気づきました。
この瞬間の快感は、今でもリアルに覚えています。鳥肌がたち、感動し、震えました。
(30代 女性)

70年代のヒット曲を副題にして、今では聞くことがないレコードもしくはカセットテープのA面、B面(若い方はピンとこないかもしれません)がトリックの重要な要素になっています。この時代に10代後半から20代の方は当時を思い出して懐かしい思いがするでしょう。ミステリーですが厳密な意味での殺人事件や窃盗などの事件の発生はありません、強いて言えば恋愛ミステリーというものなのでしょうか。男女の関係というものは、単純であればいいのに、どうして自ら複雑にしてしまうのでしょうか。(50代 男性)

昭和のにおいがしてきそうな、一昔前の雰囲気が漂う作品です。
1986年から1987年の旧静岡市を舞台に描かれたこの作品は、言ってしまえば最初から最後までが恋愛小説です。
合コンで出会ったマユに奥手ながらもアピールを続ける大学生の鈴木は、なんとか距離を縮めていき、遂には結ばれて恋人同士に。
しかし、就職と同時に地元を離れ、少しずつマユとの距離も広がっていってしまいます。そして、直接的な言葉もないまま、美弥子という新しい恋人を作ってしまい、マユへの罪悪感を抱えながら、昔に想いを馳せるというところでラストを迎えます。
しかし、このラスト2行ですべてがひっくり返るのです!
ラストの2行目だけを読んでも、理解することは難しいでしょう。そして、ネタバレを読んだとしても面白さは伝わりません。
甘ったるい恋愛小説を長々と読み進めたからこそ、このどんでん返しに衝撃を受けるのです。
一部ではこの小説を「ミステリー」と位置付けています。ラスト2行目のたった一文で、恋愛小説がミステリー小説へと変貌するのです。
必ず読み返したくなります。そのように仕組まれているからです。
この衝撃を味わうためには実際に読んでみるしか方法はありません。ぜひ一度お手に取ってみてください。(30代 女性)

住野 よる「君の膵臓をたべたい」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2016年 本屋大賞第2位。
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2位。
読書メーター読みたい本ランキング1位。
埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015年1位。
2016年12月、第3回Yahoo!検索大賞 カルチャーカテゴリ 小説部門賞を受賞。
つばめくん
つばめくん
2017年映画化 主演浜辺美波 北村匠海

住野 よる「君の膵臓をたべたい」がおすすめの理由

この小説を読んで、ある膵臓の病気を持った女の子の随所に出てくる奥の深い発言に考えさせられました。「その日の人間の価値はみんな一緒」というような言葉は今でも心に残っています。病気をしている人、健康な人、いろいろな人がいますが、病気の人が先に死ぬとは限らないんです。もしかしたら、不慮な事故で健康だった人が先に死ぬかもしれない。だからこそ、誰もが毎日、生きている時間を一分一秒大切に生きていかないといけないのだと思いました。それからというもの、生きることへの価値観が少しだけ変わったような気がします。(20代 男性)

総評としましては、予想以上に感動するストーリーで展開も予想外でした。読み始めは、よくある典型的なラブストーリーかと思っていましたが、病気なのに明るい女の子(桜良)と目立たない男の子(僕)という組み合わせがこの小説の持ち味となっています。女の子に振り回される男の子が少しずつ変わっていきます。何とも言えない二人の距離がもどかしく、純愛という感じがしました。また、その間、男の子の名前が表記されないのが新鮮でした。最後の展開も予想外で涙がとまりません。(10代 女性)

この作品は話の伏線の張り方が絶妙でした。
ヒロインの山内桜良ちゃんは若くして膵臓の病気になってしまいます。
膵臓の病気で亡くなってしまうと思いきや、なんと通り魔に刺されてしまいます。
この通り魔、実は作品冒頭にテレビのニュースに登場していました。まさかそこが伏線だとは、最初読んでいる時は気付く由もありませんでした。
あともう一つ、僕は映画を先に見たのですが、映画と小説で異なる描写が数多くあったので、そこもまた楽しむことができました。(20代 男性)

この物語は、病気によって余命が残りわずかな少女とその少女の秘密を知った男性が中心となって展開していきます。
少女は、自分があと少しで死んでしまうことを、ずっと男性に隠していたが、ある日そのことを打ち明け主人公の少女が死ぬまでにやりたいことを、男性が一緒に付き合ってあげたところに感動しました。少女はこれまで人とのかかわりを避けていましたが、その男性には少しずつ心を許すようになり、その過程に引き込まれ、目が離せなくなりました。
(20代 男性)

主人公の僕は人を必要としない冷たい人間。
僕のクラスメイトのさくらは僕とは正反対でクラスでも人気者の明るい女の子。
ある日、僕はさくらの秘密を知ることとなり物語がスタートします。
物語の中でさくらが僕を呼ぶあだ名が変化していきます。それが2人の関係性と心の移り変わりを意味していて、青春時代を思い出しすごく懐かしい気持ちになりました。
また、さくらは共病日記というものをつけていてその中で自分が死ぬまでにしたい事をあげています。
その内容が自分にとってやろうと思えばできるような当たり前のことばかりで
そんな当たり前が当たり前である日常に幸せを感じることができました。
『君の膵臓を食べたい』題名のこの言葉の意味はきっと読んだ人によって捉え方は異なってくると思います。正解がないこの言葉と2人が出会って、 離れるまでの日々がいまの私が諦めて見過ごしてしまっていた時間のように感じました。
ぜひ沢山の方に読んでいただきたいです。(20代 女性)

東野圭吾「マスカレード・ホテル」

つばめくん
つばめくん
2018年映画化 主演木村拓哉、長澤まさみ

東野圭吾「マスカレード・ホテル」がおすすめの理由

東京都内で起こった3つの殺人事件は、不可解な数字の羅列であり、それが緯度で、四つ目の方角が、ホテルコルテシア東京であった。警視庁捜査一課の新田刑事は、ホテルのフロントクラークに化けて、犯人を突き止めることにした。新田刑事の教育係に任命されたのは、山岸尚美だった。次々と現れる宿泊客。刑事として犯人を逮捕したい新田刑事とお客さまのサービスを大事にする尚美と合わなかった。お互い、最初は衝突するが、次第に理解し合うようになる。犯人は、仮面を被った意外な人物だった。(50代 女性)

ホテル・コルテシア東京が舞台となっており、ホテルマンの山岸と警察官の新田の掛け合いが面白いです。元々は、3つの連続殺人事件に関連して第4の事件がコルテシア東京で行われると予告されたことから、警察の潜入捜査が始まりました。
どちらもそれぞれの仕事にプライドを持っており、仕事に対する意識が勉強になりました。ホテルマンは、お客様の仮面を剥がしてはならないという言葉も印象に残りました。事件解決への伏線など、見どころも満載です。(30代 女性)

この小説は連続殺人の次の現場であるホテルに刑事の新田がホテルマンとして潜入捜査んして犯人を探す!という感じで物語が始まります。
刑事とホテルマンは身なりが全く違いますし、最初は腑に落ちなさそうな新田がホテルの仕事に慣れてホテルマンになりきっている所がなんだかおもしろかったです。
最終的に指導役の山岸と意気投合していていい感じに発展していくので、応援したくなりました(笑)
そんな中でホテルに訪れる客、一人一人に目を凝らし犯人が分かるのですが、私が想像していなかった展開で不意をつかれました。(20代 女性)

連続殺人事件の捜査のためホテルの従業員に扮した刑事が奮闘する話です。実際にはありえないことだとは思いますが、ページをめくる手が止まらなくなるテンポの良さにハマってしまいました。主人公の人間臭いところに共感できるところもあり、その一面が設定の非現実さを和らげているので、違和感なく読み進めることができました。また、ホテル業界の裏側なども小説の中から読み取ることができるので、今後自分がホテルに泊まるときの従業員を見る目が変わってしまいそうです。お客一人一人に合わせた接客をしているのを見ると、自分は客として迷惑をかけないようにしようと思いました。(20代 女性)

高級ホテルを舞台に殺人事件が起きる物語です。
ホテルを訪れる様々なお客様に対し丁寧なサービスをするホテルマンと、お客様を疑う刑事との立場、視点の違いが面白く、序盤から入り込むことができます。
そして殺人事件が起きるのですが、その辺のストーリーはかなり緻密で、上手く読者をミスリードさせる展開だったため、私もすっかり騙されてしまいました。
伏線の回収も見事で、最後には全て納得の形で終焉を迎えます。
ミステリーとしても極上ながら、社会人としても仕事に対する情熱や働く意義について改めて考えさせられる小説でした。(30代 女性)

百田尚樹「永遠のゼロ」

つばめくん
つばめくん
2013年映画化 主演岡田准一(V6) 三浦春馬 井上真央
第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。

百田尚樹「永遠のゼロ」がおすすめの理由

第二次世界大戦時の一人の海軍航空兵の物語は、リアルな戦線や壮絶な状況を描いているが、主人公はまるで明鏡止水のような人柄だった。この部分だけは、ちょっと美化され過ぎかもしれないが、総括的には良かった。戦争の恐ろしさや悲惨さよりも、平和な現代にいる私たちに対して、生きるということ、生き方について考えろというメッセージを強く感じた。涙なくしては読めない小説だが、悲しいから泣くのではなく、魂を揺さぶられているような感覚だった。(40代 女性)

基本的に戦争の物語は好きではありませんでしたがあまりにも大反響だったので興味を持ったのが読んだきっかけです。
これは、絶対に読むべき本でした。戦争の悲惨さだけでなく今では当たり前だと思っていることがどれだけ幸せなことなのかどれだけ平和なのかを実感させられました。
読むにつれて物語に引き込まれていきます。中盤からは涙が止まりませんでした。
これほど感動した小説はありませんでした。
命、家族の大切さを教えてくれた本です。(40代 女性)

約80年前の第二次世界大戦中、戦争反対などと言えば非国民と非難される世の中において、軍隊に入れば上官の言うことに逆らえなかったり、何か気に入らないことがあるとすぐに暴力をふるったりするような悲惨で卑怯で悲しい、想像を絶する戦争を描いた小説です。自分の考えを持っていて他人からどう見られようと、その信念を貫くことが難しかった時代にこんな日本人がいたのだと思いました。もし、こんな日本人ばかりだったら、あの悲惨な戦争は起こらなかったのかもしれません。そんなことを考えながら何度も読みました。戦争を題材にした小説を読むたびに、二度と戦争をしてはならないと強く思います。(40代 女性)

この物語がフィクションだとしても、かなりリアル感があるストーリーで主人公の描き方がとても良い。孫にあたる2人にしても、親近感を感じて次から次へと変わる2人の心境がとても興味深い。切なくて、悲しくて、戦争の怖さや、人間の愚かさをあからさまに表現出来ていると思う。右翼の活動には感心がないけれども、映画を観た後に靖国神社の資料館を訪れて戦死した人達の悲哀を胸に刻みました。日本人なら、一度は観た方良い映画です。(50代 男性)

東野圭吾「人魚の眠る家」

つばめくん
つばめくん
2018年映画化 主演篠原涼子 西島秀俊 坂口健太郎

東野圭吾「人魚の眠る家」がおすすめの理由

水の事故によって植物状態になってしまった少女。家族の献身的な介護のおかげで、血色もよく、眠っているようにしか見えない。しかし、この状態を生きていると言えるのか。少女を救うために奔走する、家族やボランティアを描く。臓器提供を待っている人がいる、最後の1秒まで、生かしてあげたいと願う母親。どちらも正しくて、どちらも間違っている。答えは一生出ないだろう。愛する人を苦しめないように、意思表示の大切さを痛感した。(30代 女性)

私ならどうするか、とまず考えました。
さっきまで元気に走り回っていた可愛いわが子が、突然脳死状態と告げられたら。
意識のないこの子は何の為に生きているのか?
母のエゴ、祖母の負い目、技術者としての父の在り方、世間と家族の狭間でもがく弟、吐き出せない従妹。
それぞれが真剣にみずほちゃんに向き合い、ぶつかり、悩んで泣いて、答えを出そうとしている描写が、苦しいけど愛おしく感じました。
悲しいけど小さな命がどう繋がっていくのか見届けたくなる作品です。
(20代 女性)

愛する娘のために全力を尽くす母親のストーリーがとても切なく、感動するストーリーになっています。娘のことを思ってやったことで、どんどん母親を苦しめてしまうことになるのがとても辛いところでした。もう一度だけ目を覚まして欲しい、もう一度笑った顔が見たいと強く願う母親の気持ちがとても伝わってきてすごく感動するところです。今まで娘のために頑張ってきた母親に娘が上げた最高のプレゼントに涙が止まりませんでした。(20代 女性)

有川浩「図書館戦争」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2008年 第39回星雲賞日本長編作品部門受賞作品。  
『別冊図書館戦争I』は「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2008」恋愛小説部門第1位。
つばめくん
つばめくん
2013年 映画化 
2015年 テレビドラマ『図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ』
映画第2作『図書館戦争-THE LAST MISSION-』放送・公開
いずれも主演岡田准一 榮倉奈々 。

有川浩「図書館戦争」がおすすめの理由

図書をめぐり、規制する政府と守ろうとする図書隊。設定に無理があるのでは?と思わなくは無いですが、細かい描写までよく書かれていて、情景が目に浮かびます。
女性主人公(ノッポ)と男性教官(チビ)との掛け合いは面白く、徐々に恋愛に発展していく様はキュンキュンします!
とにかく男性教官が格好良すぎます!
2人を取り巻く人達もとても魅力的なキャラクターばかりで、暗い部分も有るのですが、それを感じさせないコミカルなやり取りが有ります。それぞれ短編のスピンオフ小説が有り、そちらもオススメです。(40代 女性)”

図書館で表現の自由を守るために戦うというアクションあり、ラブコメありなエンターテイメント作品!差別や虐待など重いテーマを取り上げることも多く、読んでいて胸が痛くなるようなところもあるが、登場人物たちが信念を持ってそれらを考えて越えていくところが本当に格好いい。登場人物たちがみんなそれぞれに強くて格好良くて魅力的。ラブコメ部分はテンポが良くて声を出して笑ってしまうし読んでる方が恥ずかしくなるくらい振り切って恋愛してくれている。何度も読み返したくなる作品。(20代 女性)

図書館戦争は私の高校時代の一番好きだった小説です。お話自体は、読みやすく、私は恋愛小説という目線で読んでいました。昔あったヒーローのようになりたい主人公と、その過去を恥ずかしく思っている上司の関係が喧嘩をしながらもお互いに気にかけていて純粋な恋愛に胸がキュンキュンしました。それだけではなく、戦争という名の通りいろいろな策略を巡らせて本の自由を掴み取ろうという姿勢に感動しました。この小説はメインキャラクターたちだけではなく脇役というか、周りにいるキャラクターたちが生きていて彼らが主人公の話も読みたいと思わせてくれるほど欠かせない存在です。アクションであったり、恋愛であったり、ちょっとしたミステリー要素もあり、男女問わずに親しめる本だと思います。(10代 女性)

「メディア良化法」という表現の自由を制限する法律が制定された架空の未来を描いた小説です。それに立ち向かう図書隊という組織に所属する女の子・笠原郁が主人公の物語なのですが、戦いを描いたアクションシーンはもちろんのこと、特に上司である堂上教官との恋の行方にきゅんとするシーンが満載で何度も読み返すほど大好きな話です。また、郁と堂上教官以外にも、笑う正論・小牧教官と幼なじみの毬江ちゃん、美人で情報通な郁の同期・柴崎と手塚など周囲のメンバーの恋模様も素敵なので恋愛小説が好きな方に特におすすめです。(20代 女性)

浅田次郎「壬生義士伝」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2000年 第13回柴田錬三郎賞受賞作品。
つばめくん
つばめくん
2002年 テレビ東京時代劇ドラマ化 「壬生義士伝?新選組でいちばん強かった男
ギャラクシー賞選奨・ATP特別賞・橋田賞を受賞。 主演渡辺謙 高島礼子

浅田次郎「壬生義士伝」がおすすめの理由

主人公である吉村貫一郎の、牢に入った状態での独白から始まる物語です。
それぞれ彼を知る人物へのインタビューが続く展開ですが、人々が語る吉村貫一郎像が面白いです。
いろいろなイメージがあり、新撰組における最強の剣士ですが、剣士としての強さよりも、彼の父親としての強さが際立っています。
困窮している家族を養うため、藩を出て、新撰組に入隊した彼は、金の亡者のようなふるまいを続けますが、それはすべて家族のため。
新撰組隊士、斎藤一との奇妙な友情のような交わりも見逃せません。
吉村貫一郎から、新撰組隊士や友人、特に家族への繋がりが胸を打つ、素晴らしい小説です。(30代 女性)
 
歴史小説には、作中の史実と創作を自分なりに織ってみる面白味があると思います。誇り高き武士でありながら、家族の生活を第一義として脱藩し、新選組に身を投じた主人公。その生きざまは、平和に麻痺した現代の私の心に突き刺さります。己の義を貫きながら、明治維新という大きなうねりに翻弄された男の物語です。維新の戦ははたして何だったのでしょう。現代の私たちがその答えをだす番なのかもしれません。主人公・吉村貫一郎のように、身近な人を愛することから始まるのだと思います。(50代 女性)

幕末に生きた東北南部藩の一人の武士。脱藩して「汚名」に耐えても家族の為に生きる姿。この小説には「時代」「人間としての生き方」「組織」「歴史観」等々様々なことを考えさせてくれるものがある。「幕末」を生きた人間が「どのような立場にいたか」で歴史観は相当変わってくると思う。政治体制ではなく「時代と生まれた場所、立場」に翻弄されて生きながらも「人間らしさ」を保つために「冷酷な人間」と思われることを重ねていく主人公とその周囲にいる人間の「冷たさと暖かさ」を繊細に描いていると思う。若い」世代に読んでほしいと思う一冊。(60代 男性)

東野圭吾「手紙」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第129回直木賞候補作
第129回直木三十五賞候補作品。
つばめくん
つばめくん
2006年映画化 主演山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ
2018年テレビドラマ化 主演 亀梨和也 佐藤隆太 本田翼 

東野圭吾「手紙」がおすすめの理由

自分の兄が犯罪者となり、その遺族として肩身の狭い生活、人との交流を避けて生活している主人公の心の描写が映像に映し出されるようにわかりやすく明確でした。
また、主人公の恋愛に関しても、出会った女性どの交際を兄が犯罪者ということで彼女の親から反対されどうしようもない中で葛藤し、兄恨みながら生活していく主人公も切なさがありました。そんな兄を恨んでいた主人公も結婚して、子供が生まれて家族にも色々と嫌な思いをさせてしまっている中で、変化として最後のシーンで兄のいる刑務所で歌を歌ったシーンは心が生まれました。(40代 女性)

映画も小説もどちらも夢中になった作品です。加害者の弟が、周りから受ける差別や偏見に悩み苦しむ姿が悲しく描かれた物語です。
兄が空き巣に入り帰宅した老婦人と揉み合い、誤って殺してしまいそこから弟の苦労が始まります。大学進学を
諦め、兄の事件により住む所や職場を転々と終われるようになります。希望の仕事に付いても兄の事件でまた追われるように去ると行った繰り返しの中、唯一兄の事件を知っても動じす寄り添ってくれる女性と家庭を持つ事が出来ます。しかしまた兄の事が明るみになり、今度は娘にも同じ差別や偏見の矢が刺さります。でも会社の会長が諭す言葉に後になって励まされます。
この話は実際に起きてる事実であり、残酷ではあるが会長の言葉が真実を付いていてその問題にどう立ち向かうか諭しています。綺麗事で言うのは簡単です。でも身近に同じ環境の人がいたら自分はどうするか?答えは難しいと考えさせられる物語です。
(50代 女性)

犯罪被害者をテーマに書かれた作品は数多く存在するが、こちらは殺人犯の弟に視点をおいた作品となっております。自分は何も悪い事をしていないのに兄が殺人犯になってからは自分も世間から冷たい目で見られ、肩身を狭く生きていかなければならない現実。主人公は兄を恨み絶縁したい、しかし兄は自分の為に犯罪を犯してしまったことから責めたくても責めきれない感情に悩まされる主人公の感情に読み入ってしまいます。兄弟で互いを思いやるやり取りに涙しました。(20代 女性)

池井戸潤「下町ロケット」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞作品。
第24回(2011年)山本周五郎賞候補作品。
つばめくん
つばめくん
2011年 WOWOW連続ドラマ ドラマ化第1作『下町ロケット』
2012年 TBSラジオ ラジオドラマ化
2015年 TBS日曜劇場 第1作/第2作『下町ロケット2 ガウディ計画』テレビドラマ化
2018年 TBS系の日曜1劇場 第3作『下町ロケット ゴースト』、第4作『下町ロケット ヤタガラス』ドラマ化 。

池井戸潤「下町ロケット」がおすすめの理由

ドラマより後に小説を読んでいるためか、その違いを確認しつつ、予想通りのハッピーエンドとなったことは良かったと思います。
所謂、最近には珍しい勧善懲悪となっている事は、むしろ新鮮さを感じました。どの場面が印象的なのかという事もなく、印象的なセリフも少なかったように思えます。
昭和の初期の話と言っても過言ではないような内容は、体育会系の匂いもするほどのものでした。
いろいろ、工夫して仕込んでいる内容も、目新しいものではなく、全体的に淡々とした印象でした。(40代 男性)

中小企業の社長が社員たちと一眼になって、会社の困難に立ち向かう姿がとても胸を打たれました。大企業の帝国重工とのやり取りがとてもハラハラさせられました。ライバル会社が多い中、下町の精密機械工業の会社がどのようにして成功を勝ち取れるのかと読んでいてとても引き込まれました。。現代の中小企業の機械製造業の大変さや生き残りにも性通する展開もとても興味深くてとても面白い小説だと思います。人情深いお話しに感動しました。(40代 女性)

小川洋子「博士の愛した数式」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2004年 第55回読売文学賞受賞/同年第1回本屋大賞受賞作品。
つばめくん
つばめくん
2006年映画化 第18回東京国際映画祭特別招待作品。
主演寺尾聰 深津絵里

小川洋子「博士の愛した数式」」がおすすめの理由

80分しか記憶がもたない数学博士と、博士の生活のお世話をする家政婦、家政婦の息子との心の交流を描いた作品。
日常の何気ないやりとりから、数字の不思議や楽しさが伝わり、ついつい数学のドリルを取り出して解いてみたいとさえ思う。
博士の短い記憶や気むずかしい性格に当初は翻弄される家政婦であったが、数式について熱く語る姿や、自分の息子に正面から向き合ってくれる博士に次第に親しみや尊敬の念を抱くように。
人生の折々に何度も読みたくなる心温まる小説だ。(20代 女性)

天才数学者と呼ばれた博士が事故により記憶が80分しか持たない、中でも、常に数学の事を考えて計算している姿は数学そのものを愛していることを誰が見てもわかるくらいでした。そんな博士の所に、家政婦と息子ルートが加わり、ルートに博士が数学を教える姿がとても素敵でした。最後にルートは数学の先生になることになると分かるのですが、博士の数学の素晴らしさ、愛がルートにも伝わったのだと思うと同時に、教える人は、そのものに愛情を持っていれば、伝えたい相手にもよく伝わるのだなと思い、学校の先生を志している方などにも是非推薦したい小説でした。この小説は心理フィクションです。
(20代 女性)

川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2017年 本屋大賞にノミネート作品。
つばめくん
つばめくん
2018年映画化 主演有村架純

川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」がおすすめの理由

オムニバス形式になっていて、それぞれの主人公たちの相手に対する想いが伝わってきて、心に迫るものがありました。その時に、気持ちは素直に伝えなくては、後で後悔しても時は戻ってこないんだよと教えられたようでした。小説では、過去に少しだけ戻れるという空想ならではの世界が繰り広げられて、その世界に引き込まれました。前評判で、涙が溢れて止まらない…ということを聞いていたのですが、涙が出るというより、ジワーと心に染み入るような作品でした。(40代 女性)

小説の表紙にも歌っているのですが、本当に4回泣けます。小説を読んで初めて涙しました。
この小説は過去に戻る話なのですが、過去に戻って何をしても現実は変わらないんです。では、何の為にみんな戻るのか、とても考えさせられました。誰もが一度は経験あるはずです。あの時ああしておけば何か変わっていたのかな。と言う後悔。この本は例え現実は変わらなくても、自分の考えを少し前向きになれば未来を変えることができる。と教えてくれる、そんな小説でした。(20代 女性)

ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
1959年 中編小説として発表。翌年ヒューゴー賞短編小説部門を受賞。
1966年に長編小説として改作。ネビュラ賞受賞。
つばめくん
つばめくん
1968年アメリカ/2000年カナダ/2006年フランスにて映画化。
1995年 NHKFM青春アドベンチャー枠でラジオドラマ化。
2002年 フジテレビ系ドラマ化 主演 ユースケ・サンタマリア 菅野美穂
2015年 TBS系ドラマ化 主演山下智久 栗山千明

ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」

知的障害を持つチャーリーが知能を上げる薬を投与されてどんどん賢くなっていく過程が彼の書く日記に顕著に表れていて読んでいて面白かったです。しかし、チャーリーより先に実験で同じ薬を投与されていたハツカネズミのアルジャーノンの知数が絶頂から少しづつ後退していくのを見て自分の身にこれから起こる事を知ります。せっかく得た知能がどんどん失われていく寂しさと焦りが読んでいて切なくなりました。とても悲しい終わり方をした小説です。(40代 女性)

皆平等だと人は言うけれど、実際はIQが高い人、スポーツ万能の人、とにかく何かに秀でた人が優遇される世の中。
ただ純粋に皆と同じでありたいと願ったのに、必要以上にIQが高くなり、それまで純粋だった心とか、友人とか、失ったものは大きいのに彼は何を得たんだろうと、胸が苦しくなる作品でした。
現段階では実際には起こりえないであろう内容ですが、この先医療が進みこういうことが起こってもおかしくないし、結局人間が求めるものを追及していった先に本当の幸せがあるのだろうか?という事を強く感じ、人間にとって本当に必要なものは何なんだろうと考えさせられました。(30代 女性)

高見広春「バトルロワイアル」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第5回日本ホラー小説大賞最終候補作品。
つばめくん
つばめくん
2000年映画化 主演藤原竜也

高見広春 「バトルロワイアル」がおすすめの理由

登場人物が多いのにしっかり個性的に描かれており、バックグラウンドもあってか、倒れるたびに辛い気持ちと興味深い気持ちが溢れてくる。
ただ死が繰り返されるわけではないから、全く飽きず、続きや最後がずっと気になっていた。
敵側であるゲームの主催者の心情も表現されていて、その内容がまた面白かった。
最後はやはり生き残る人がいて、ややありきたりではあったが、そこへくるまでの表現でぐっと心を掴まれているため、「面白かった」と思える終わりを迎えられた。
(30代 女性)

自分が中学生の時でしたが、友達からはまるけん読んでみてとすすめられたのがバトル・ロワイアルでした。当時、漫画はたくさん読んでいたのですが、活字の小説を読んだ事がなかったし、文字を読むので面白いのかなと半信半疑で読みはじめました。読みはじめると今までにないストーリー性にひきこまれました。ちょうど自分と同じ年位の登場人物達が生き残る為に殺しあいをしていくので、自分がこの世界だったらどうなるんだろうと、ドキドキしながら、最後まで飽きる事なく読めた小説でした。(30代 男性)

東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第7回中央公論文芸賞受賞作品。
つばめくん
つばめくん
2017年映画化 主演 山田涼介(Hey! Say! JUMP) 村上虹郎 寛一郎
第41回日本アカデミー賞など、数多くの賞を受賞。

東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」」がおすすめの理由

東野さんの作品は大好きですが、この作品はいつもと少し違うファンタジーを感じるストーリーで、どんどん作品に吸い込まれました。
悩み相談として書かれた「手紙」が、過去の雑貨屋亭主と現在をつなぎ、沢山の愛と軌跡がつまった物語が展開していき目が離せません。沢山のバラバラに見えた出来事が、いつのまにか謎が解け、パズルのピースが埋まっていくと同時に、気持ちも解けて、涙が止まらりませんでした。心温まる感動作品です。
心温まります。
結局は感動の涙を流してしまうくらい素晴らしい作品。(30代 女性)

東野圭吾さんの推理系小説が好きでしたが、この作品にはのめり込みました。今は廃墟となった雑貨店に迷い込んだ青年3人から物語が始まります。そのポストに送られてくる昔の人からの手紙に戸惑いながらも受け入れていきます。時を越えて繰り広げられる手紙のやりとりに次第に胸が熱くなりました。初めは気が付かなかったのですが、そのどれもが繋がっていて最後には読みながら鳥肌がたちました。私が特に感動したのは魚屋ミュージシャンという男の話でした。(30代 女性)

三浦しおん「船を編む」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2012年 本屋大賞受賞作。
つばめくん
つばめくん
2013年映画化 主演松田龍平 宮崎あおい オダギリジョー
第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞他、数多くの賞を受賞。

三浦しおん「船を編む」」がおすすめの理由

辞書を編纂するまでにどれだけ多くの労力がかかるか考えたことがなかったのでとても勉強になりました。中でもひとつの単語について大学の教授などに意味の解説や例文の作成などをお願いして返信をもらうなど細々としたやりとりが必要になる点はとても骨の折れる作業だなと思いました。主人公が常連のお店の店員の女性と徐々に恋に落ちていくという描写も現代的な恋愛から少し離れている古風な雰囲気ややりとりが誠実で素敵だなと思いました。(20代 女性)

ある出版社でコミュニケーション能力に欠ける馬締光也が大きな辞書「大渡海」を作るという物語で、身近にある辞書を作ることの緻密で壮大な作業、また辞書作りにかける熱い情熱が小説を読み進める程に感動を誘います。
最初はとても不器用で冴えない馬締が周囲の人々と交わることで成長し、また恋に落ち、辞書を作ることに全てを注いだ生き様にも感動。
馬締みたいな人と一緒に仕事をしたいなと、羨ましく思いました。
何より言葉の道標となる辞書の偉大さを知ることができた小説です。
仕事に悩む人に読んでほしい本です。(30代 男性)

池井戸潤「俺たちバブル入行組」

つばめくん
つばめくん
2013年 TBSテレビドラマ化『半沢直樹』の第一部。 主演堺雅人

池井戸潤「俺たちバブル入行組」がおすすめの理由

銀行を舞台に出世競争、派閥争い、ノルマの目標達成などドロドロした人間ドラマが展開され、サラリーマンを長く経験した自分にとっては非常に親近感を感じる小説でした。それを支える銀行員の妻と二人三脚で難局を乗り切り、最後には徹底的に意地悪を尽くした上司を打ち負かす展開は、胸がすく思いがしました。この小説が全くのフィクションかどうかは分かりませんが、相当の現場取材を積み重ねられてストーリーを組み立てられたのだろうなあと池井戸潤の作品には毎回感心させられました。(60代以上 男性)

企業を題材にしたエンターテインメントだと思います。主人公の半沢直樹の反骨精神は凄まじいものがあると思います。ドラマでも多様されていた「やられたらやり返す!倍返しだ!」がとてもインパクトがあり、正義感がありありと伝わるところが大好きです。サラリーマンの鏡とも云える半沢直樹の逆襲劇は素晴らしいの一言につきます。中間管理職という立場ながら男の意地と挑戦がありありと描かれていて、いつしか半沢直樹を応援していました。(40代 女性)

越谷オサム「陽だまりの彼女」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2011年6月に刊行された文庫版は啓文堂書店の「2011年 おすすめ文庫大賞」の1位。
つばめくん
つばめくん
2013年映画化 主演松本潤(中学生時代:北村匠海) 上野樹里(中学生時代:葵わかな)

越谷オサム「陽だまりの彼女」がおすすめの理由

味わい部会場面が続くと、そこに何らかの違いがある。人によってかんがえることはいろいろあるんだなと思いました。場面場面に映し出される光景は、どれも違っていましたが、それが、人ごとに別の印象が沸くようになるには、それぞれの考えかたの違いがあると思いました。人がどんなものを思ったり、考えたりしているのか、そのつど不思議な印象としてみることができ、読んでいると、その風景がわかるようでした。人ごとにある恋愛観や、その場所が持つときに切ない印象がわかってよかったです。(20代 男性)

普通の男女の恋愛かと思っていました。途中からものすごくファンタジーな内容になるのですが、それでも現実的な話の進め方をしていて、不思議な世界に飛び込むような内容ではありませんでした。真緒の仕草ひとつひとつが最後の方で色々結びつくような伏線も張ってあるように感じました。映画とは最後が多少違うのですが、映画を見た後に読んでも読んだ後に映画を見てもすっきりと読める作品です。終始ほんわかしている雰囲気なのもこの作品の特徴だと思います。(20代 女性)

志駕晃「スマホを落としただけなのに」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
第15回『このミステリーがすごい!』大賞最終候補。
つばめくん
つばめくん
2018年映画化 主演北川景子 千葉雄大 成田凌  田中圭

志駕晃「スマホを落としただけなのに」がおすすめの理由

ある日彼氏がタクシーの中でスマホを落としてしまった、という女性のお話です。女性、犯人、警察という3つの視点から話が進み、タイトル通り『スマホを落としただけなのに』、想像もつかないような恐怖に巻きこまれていきます。パスワードってそんなに簡単に破られるものなの?スマホで撮った写真ってそんなことになってるの?フェイスブックってそんなことできるの?と、こちらまで恐怖心をあおられました。そして、思いもしなかった女性の過去も暴かれ、ジェットコースターに乗っているかのように感情を揺すぶられながらの一気読みでした。ラストは意外なものでしたが、男性と女性とでは捉え方が違うかもしれません。映画もいいですが、小説を先に読むと想像力をかきたてられ、より恐怖を感じられるのではないかな、と思います。(40代 女性)

タクシーの中でスマホを落としただけで、生活が一変する様子がリアルに描かれてあり、冒頭から引き込まれました。スマホを拾った男が、麻美の彼氏のスマホをハッキング。その中には本人の個人情報だけでなく、友人や恋人の情報もいっぱい入っていた。SNSを駆使して卑劣な罠で麻美に近づく犯人は、手口がとにかく周到で、頭のよさに恐怖を感じました。ここまで人の弱みにつけこめるとは。今や誰でも持っているスマホ。本書を読んでネットやSNSに対して慎重になって使わないと、とんでもないことになると思いました。
(40代 男性)

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

つばめくん
つばめくん
2016年映画化 主演福士蒼汰 小松菜奈

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

最初は普通の恋愛小説かと思って読み進めますが、物語の中盤で、「彼女」の秘密が明らかになったあと、主人公とヒロインの切ないラブストーリーに生まれ変わります。
ヒロインが序盤でよく涙を流していた理由、デートの時にいつも笑っている理由を知った主人公に感情移入し、自分だったらヒロインとは同じようにはできないと、考えさせられる作品です。また、実写映画では原作を忠実に再現しており、京都や大阪のロケ地の美しさも見どころだと思います。(20代 女性)

時間の進む向きが逆である中、たった40日、高寿くんと恋人でいるためにこちらの世界にやって来た愛美ちゃん。ラブラブな始まりからどんどん距離を感じる終わりのお付き合い、また、いつ何がおこるのか全て分かってしまうことはどれほど辛かったでしょうか。
「ぼくたちはすれ違っていない。端と端を結んだ輪になって、ひとつにつながっているんだ」「二人でひとつの命なんだ」別れ際のこの名言から、二人がどんなに思いあっているのかを感じさせられます。(20代 女性)

梨木果歩「西の魔女が死んだ」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、第44回小学館文学賞受賞。
つばめくん
つばめくん
2008年 映画化。主演サチ・パーカー 高橋真悠 りょう
文部科学省特別選定作品、青少年映画審議会推薦作品、厚生労働省社会保障審議会推薦作品

梨木果歩「西の魔女が死んだ」がおすすめの理由

話は、都会に住んでいる主人公が不登校になってしまい、田舎の祖母の家に預けられるところから始まります。初めは心を閉ざし、思春期である主人公が魔女(祖母)との暮らしの中で、少しずつ少女らしい心を取り戻して行きます。
ある日とある事がきっかけで魔女との間にわだかまりが出来てしまいます。でも母親と暮らすためにまた魔女と離れて暮らすことになってしまいます。そして祖母の死去の知らせが。祖母の安定した情緒と絶対的な愛情が、一人の少女の心を開き、そして自然の中での暮らしが彼女を成長させて行きます。
思春期独特の感情をもつ彼女が憎たらしいような、でもとても懐かしいような感じがして一気に引き込まれて行きました。
この小説が販売されたのはかなり前です。でも、今でもとても印象深く忘れられない作品です。(30代 女性)

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星新一「気まぐれロボット」

つばめくん
つばめくん
2014年フジテレビ系ドラマ化 主演小日向文世 川平慈英

星新一「気まぐれロボット」がおすすめの理由

今作の「きまぐれロボット」は私が学生時代の頃から星新一さんの小説が大好きで、その中の「きまぐれロボット」という話がドラマ化になると聞いて原作を読み直した
のもしっかり覚えてます。星新一さんの作風はSF要素がベースとなっていますがその中でもブラックユーモアや近代社会への風刺や発展国のこの国での切れ味のある皮肉
をしっかりとブレず描かれているので、読んでいて心地いいですし全く飽きません。「きまぐれロボット」では人工知能や様々な機械の発達により人間の怠惰を表現しそ
れに警告したかのようなロボットと博士が登場するので、そこが見どころです。
(20代 男性)

宮部みゆき「クロスファイヤ」

つばめくん
つばめくん
2000年 映画化 主演矢田亜希子 伊藤英明 徳山秀典

宮部みゆき「クロスファイヤ」がおすすめの理由

今作は本来ならその主人公がどのように自分が念力放火能力ことパイロキネシスという特殊能力を持つようになったかなどのオリジンが書かれていなくて、逆にすんなり
と読みやすかったです。序盤で主人公の青木が自身の超能力の「ガス抜き」で廃工場に行って様々な廃品を能力で燃やしていく場面では、あっ超能力者でも能力の息抜きみたいなのあるんだと思い青木の人間らしさが見えたし
そこから瀕死の若者とその恋人を助ける所も正義のヒーローまではいきませんが青木自身の独特なヒーロー像があ
るんだなと思いました。(20代 男性)

有栖川有栖「ショーウインドウを砕く」(怪しい店に所収)

つばめくん
つばめくん
2016年 日本テレビ系列 
臨床犯罪学者 火村英生の推理 第5話『ショーウィンドウを砕く』
主演斎藤工 窪田正孝 

有栖川有栖「ショーウインドウを砕く」がおすすめの理由

この小説は倒叙形式のミステリで、芸能プロダクションの社長が年の離れた恋人を殺すというストーリーです。ミステリですからあまり踏み込んだことは書けないのが残念でありますがドラマの方も小説に忠実に制作されていました。それにしてもこれだけの優れた短編ミステリを書き続けるのは大変な才能だと思います。特にトリックの創案については毎度毎度新しいものを編み出さなくてはならないのですからこれはいつネタ切れになるのだろうかと読者である私も心配してしまいます(余計なお世話だと著者は思うのでしょうが)。有栖川氏にはまだまだ「火村英生シリーズ」の短編小説を発表してもらいたいです。(30代 男性)

星新一「ようこそ地球さん」

つばめくん
つばめくん
2014年フジテレビ系ドラマ化 主演マキタスポーツ 佐々木希

星新一「ようこそ地球さん」がおすすめの理由

私は星新一作の中でドラマ化された「霧の星で」が収録されてる「ようこそ地球さん」を読みました。感想は「ようこそ地球さん」は星新一作品の中でも宇宙人や未知なる
惑星要素が多い作品だなと感じました。そしてその中に収録されている「霧の中で」は主人公の人間性の闇深さを読み取れるし男性の欲望を素直に星新一さんが描き切った
お話だと思います。この話はもし世の中の男性などに主人公のような体験をさせたらどうなるか気になりました。(20代 男性)

ネビル・シュート「渚にて」

つばめくん
つばめくん
1959年映画化 主演グレゴリー・ペック
2000年テレビドラマ化

ネビル・シュート「渚にて」がおすすめの理由

核戦争がおき北半球の人口は壊滅状態。南半球の方にも死の灰がやってきます。そんな中、アメリカから南半球に避難している原子力潜水艦スコーピオンが、生存者が発しているかもしれない電波をキャッチします。探索に行きますが、無人の町があっただけ。生き残った人々の間も死を予感しますが、自暴自棄になったせず、この現状を静かに受け入れる登場人物たち。薬局で劇薬を購入する者。映画もなかなかな出来でスタンリー・クレイマー監督、グレゴリー・ペック主演も印象に残りました。(40代 男性)

ダルトン・トランボ「ジョニーは銃をとった」

つばめくん
つばめくん
「ジョニーは戦場へ行った」(角川書店版)は映画版の邦題。
ベトナム戦争最中の1971年、映画化 主演ティモシー・ボトムズ キャシー・フィールズ

ダルトン・トランボ「ジョニーは銃をとった」がおすすめの理由

戦場で負傷し、視覚、聴覚、嗅覚、言葉、四肢を失い、病院で植物状態と誤診された元兵士。戦争の恐怖や愚かさを扱った小説は多いですが、その後を主題としつつ、これほどまでにその悲惨さを突きつけた作品は他に思いつきません。自分の肉体も、意思を伝える手段も奪われた若者の絶対的な孤独を描いています。孤独と絶望と闇しかない、極限の状態に陥った人間の精神状態の描写が秀逸。アメリカでは戦争のたびに事実上の発禁処分となる一冊です。(50代 女性)

景山民夫「トラブル・バスター」

つばめくん
つばめくん
1996年映画化 「釣りバカ日誌8」と併映。
主演鹿賀丈史 村田雄浩 小林恵

景山民夫「トラブル・バスター」がおすすめの理由

こちらはシリーズものの作品で私は徳間文庫で読んだのですが、4冊刊行されました。その内の2巻は連作で一方の2巻は長編です。周知の様に景山氏は’98年に急逝されたので、4冊止まりとなってしまいました。内容は景山氏が長年携わっていたテレビ業界を舞台に、宇賀神邦彦という男の一人称で業界内のトラブルを解決していくというものです。勿論小説ですからフィクションなのですが、テレビ業界のあれこれをリアリティ溢れる筆致で描かれています。そこに登場する、一癖もふた癖もある人物たちとの軽ハードボイルド調とでもいうべき展開も、このシリーズの魅力の一つといえましょう。閑話休題、小説と映画のギャップがあることが否めません。前述の宇賀神を演じたのが、あのフジテレビの名物番組「料理の鉄人」で大仰な演技をしていた鹿賀丈史・・・個人的にはミスキャストかな?などと思ってしまいます。原作ではもっと強面なのですが。それとタバコ、原作ではハイライトを吸っているのですが映画ではマルボロになっていて、銘柄ぐらいは原作に忠実にして下さいという感想をもってしまいます。(40代 男性)

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2017年 ノーベル文学賞受賞作品。
つばめくん
つばめくん
2010年 イギリスにおいて映画化 
主演キャリー・マリガン アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレ
2014年 蜷川幸雄演出、多部未華子主演により舞台化
2016年 ドラマ化  主演綾瀬はるか(幼少期:鈴木梨央)三浦春馬(幼少期:中川翼)

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」がおすすめの理由

ものすごい後味の悪さを放つSF。逆説的に人間の「生」について考えさせられる。ただ、やはりイギリスが舞台であり英語で描かれている物語なので、淡々とストーリーは進むし、登場人物がくよくよ悩んだり罪悪感の塊になったりはしない。しないからこそ、こちらに考える余地を持たせる。生き物であることと科学の進歩とキリスト教の宗教観と。現実世界で現在進行形ですすむ倫理問題でもあるわけだが、ふと、この小説は仏教観のもとだとすごく肯定的に受け入れられるんだろうか、と思ってみたりもする。(40代 女性)

芥川龍之介「藪の中」「羅生門」

つばめくん
つばめくん
1950年 映画化
日本映画として初めてヴェネツィア国際映画祭金獅子賞/アカデミー賞名誉賞受賞。
監督 黒澤明 主演三船敏郎、京マチ子

芥川龍之介「藪の中」「羅生門」がおすすめの理由

黒澤明監督の「羅生門」を観てから『薮の中』を読んだので、まずは、なるほどなあ、と感心したのだが、映画未見だったならば、なんじゃこりゃあ、と本を投げ出す勢いだったのではないかと思う。タイトルに偽りなし、まったくもって『藪の中』。人は自分が信じるものが真実だし、信じたいものしか信じない。事実はひとつでも人間の数だけ真実がある、しかも、客観的に辻褄があっていようがなかろうが、その人のなかでの心の辻褄さえあっていれば信じることは可能なのだ、ということを短編ながらまざまざと見せつけてくれる傑作。(40代 女性)

横山秀夫「64(ロクヨン)」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
2012年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。
2013年版このミステリーがすごい!」第1位。
ダ・ヴィンチ「2013年上半期 BOOK OF THE YEAR」第1位。
つばめくん
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2015年NHKドラマ化 主演ピエール瀧 木村佳乃 新井浩文
第70回 文化庁芸術祭賞大賞(テレビ・ドラマ部門)受賞。

「64(ロクヨン)」がおすすめの理由

D県警の管内で初めて起こった本格的な誘拐事件。
たった7日間しかなかった昭和64年に起きた誘拐事件は女の子は殺害され、犯人不詳のまま時が過ぎ、時効間近を迎えた平成14年が舞台です。この事件はロクヨンと呼ばれます。
読みやすかった。だが、強烈なインパクトのある作品という印象。読んでいるうちに引き込まれ、最後に読者を驚かせる仕掛けもあり、読後もしばらく余韻がありました。
当時誘拐事件を追っていた三上は広報官に任じられます。広報官の仕事はマスコミ発表を取り仕切る者。実名報道を希望するマスコミとの攻防も面白かった。警察にもいろいろな係があるんだなぁと知ることができた点も私的には良かったです。
主人公を含め、いろいろな立場の人間がそれぞれの思いを持つことを深く伝えてくれる作品でした。
この作品に出会えて良かったです。(40代 女性)

湊かなえ「Nのために 」

つばめくん
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2014年 TBS系テレビドラマ化 主演榮倉奈々 窪田正孝  賀来賢人
第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では数多くの賞を受賞。

湊かなえ「Nのために 」がおすすめの理由

題名の「N」これがキーワードになるのは想像つくので、読み進めていく中で早いうちから「N」に気をつけながら、自分なりに推理しながら読める所も楽しみのひとつでした。就活をしている若者のボロボロのアパートの出会いから始まり、将棋を通して、大手商社に努める夫婦と出会い、それぞれの生活。過去の、出来事。読み進めていくと、どんどん複雑に感じましたが、「N」は誰?ということを考えながら読むとスムーズに人間関係が整理されて楽しかったです。(30代 女性)

咲坂伊緒「アオハライド」

つばめくん
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2014年映画化 本田翼 東出昌大

咲坂伊緒「アオハライド」がおすすめの理由

中学時代の同級生の双葉と洸の恋が描かれる中に、母親を亡くした洸の葛藤が色濃く描かれていると思いました。過去の出来事に悩み、振り回される洸と、それにまっすぐ向き合おうとする双葉はザ・青春という感じがしてワクワクします。途中出てくる冬馬との恋や、双葉の友達である悠里と修子のそれぞれの恋についても手を抜くことなく甘酸っぱく、丁寧に描かれているので読んでいて飽きませんでした。うまくいくと思ったらなかなかうまくいかなかったりともどかしい部分があるのもまた青春と言えるのではないかと思います。(20代 女性)

マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還」

つばめくん
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2013年制作のアメリカ合衆国の映画『ローン・サバイバー』の原作。
ピーター・バーグ監督 主演マーク・ウォールバーグ テイラー・キッチュ

マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還」がおすすめの理由

この小説はマーカス・ラトレルという人物が書いた自伝小説です。彼はネイビー・シールズと呼ばれるアメリカの海軍に所属しており、この小説では彼が特殊任務中に200人のタリバン兵に襲撃されたことが詳しく記述されています。小説では仲間がタリバン兵の銃撃によって傷つき、死んでいくさまが細かく描写されているため、非常にショッキングです。しかしそれと同時に、必ず任務を遂行しようとする彼らの勇敢な姿、満身創痍で応戦する姿をみると勇気が沸いてきます。アメリカの軍事事情やタリバンの真の姿なども説明されており、国際事情の勉強にもなりました。(20代 男性)

ドリアン助川「あん」

たんぽぽちゃん
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第25回読書感想画中央コンクールで指定図書(中学校・高等学校の部)に選定。
つばめくん
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2015年に河瀬直美の監督で映画化。 主演樹木希林 永瀬正敏
数々の賞を受賞

ドリアン助川「あん」がおすすめの理由

元ハンセン病患者の女性と、仕事に熱が入らない中年のどら焼き職人の交流を描いた小説です。ハンセン病については、なんとなくぼんやりとした情報は頭にあったものの、詳しい事は知らなかったので、女性の壮絶な人生に言葉を失いました。そして、涙が止まりませんでした。何も知らずに心ない言葉を投げつける人たちや、陰口をたたく人たち。自分もその中の一人かもしれない、と猛烈に恥ずかしい気持ちになりました。映画は樹木希林さんが主演されているので、小説だけでなく映画も是非観てみたいと思いました。
(40代 女性)

市川拓司「いま、会いにゆきます」

つばめくん
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2004年 映画化 主演竹内結子 中村獅童 
2005年 ドラマ化 主演ミムラ 成宮寛貴 

市川拓司「いま、会いにゆきます」がおすすめの理由

高校のときに教室で読んでいて、周囲に同級生がいるのにも関わらず号泣しました。
それほど心に響いた作品です。
一度終わっている(亡くなっている)のに再び終わる切なさと、大切な人が消えてしまう悲しさ、それでも確かにそこに存在する愛、すべてが心に響いて、涙を止めることができませんでした。
ネタバレをしたくないので詳細は省きますが、とにかく泣ける作品が読みたい方、心を綺麗に洗いたい方、大切な家族がいる方には特にオススメしたいです!(30代 女性)

アガサ・クリスティ「オリエント急行殺人事件」

たんぽぽちゃん
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1995年にアメリカ探偵作家クラブが選出した『史上最高のミステリー小説100冊』の総合で41位。
つばめくん
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映画
1974年 オリエント急行殺人事件
2017年 オリエント急行殺人事件
テレビドラマ 名探偵ポワロ「オリエント急行の殺人」

アガサ・クリスティ「オリエント急行殺人事件」がおすすめの理由

いつもはヘイスティングズというポワロの友人兼助手がいるんだけど今回はいません。
その代わりに医者と鉄道会社の役員が代打を務めました。
ちょっと寂しいけど小説としては面白いので問題ないです。
容疑者12人。うち、過去の事件と繋がっている者が1人2人と増えていく。この辺りの「うわ、こいつもか!」の驚きが良かったです。
ラストでポワロは犯人を見事見つけます。
殺されたラチェットは非常に悪い奴で、むしろ犯人の方が善良でまともな人。
何が善で何が悪か。
アガサ・クリスティが読者一人一人に問いかけています。
このラストもただの推理小説とは言えないところです。
こんな凄い小説なかなかありません。歴史に残る名作です。(40代 男性)

奥田英朗「ガール」

つばめくん
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2012年 映画化 主演香里奈 麻生久美子 吉瀬美智子

奥田英朗「ガール」がおすすめの理由

働く女性は、まさにこれって私のこと?と思ってしまうようなストーリーが満載です。私は、ワーママがフルタイムの仕事で奮闘し、でも子育てとの間で揺れて会議の場で思わず息子の話をしてしまうストーリーが好きです。仕事に子育てを持ち出すのは良くないとは分かってる…でもどうしても言ってしまう、その気持ちにすごく共感しました。あとは、年上部下の扱いに困るストーリーもあるある!という気持ちになりながら読みました。読むと元気になれる作品です。(30代 女性)

道尾秀介「カラスの親指」

たんぽぽちゃん
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第62回(2009年)日本推理作家協会賞。
つばめくん
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2012年 映画化 主演阿部寛 村上ショージ 能年玲奈 

道尾秀介「カラスの親指」がおすすめの理由

詐欺師の二人組の話です。最初の競馬場のシーンからハラハラが止まらず、騙し合いも読んでて鳥肌が立ちました。続きが気になってすぐに読んでしまいました。途中悲しいシーンや読んでて辛い部分がありますが、主人公の人の良さや相方との絆を感じれます。困っている人が目の前にいたらほっとけないお人好しで人間味も感じました。最後はまさかのドンデン返しでした。完全に騙されました。ドンデン返しや謎解きが好きな方には是非オススメしたい作品です。(30代 女性)

横山秀夫「クライング・ハイ」

たんぽぽちゃん
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週刊文春ミステリーベストテン2003年第1位。 
2004年本屋大賞第2位受賞。
つばめくん
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2005年 NHKテレビドラマ化 主演佐藤浩市 松重豊 光石研
2008年映画化 主演堤真一 堺雅人 尾野真千子
第32回日本アカデミー賞優秀作品賞など数多くの賞を受賞。

横山秀夫「クライング・ハイ」がおすすめの理由

作者が地方紙勤務時代に直面した日航機墜落事件を基にした小説。加熱する報道合戦の裏側にある、地元新聞社の内情をからめながら描いています。主人公の新聞記者の社内における立ち位置が不安定であることに、一層不安をあおられました。今読み返すと、映画版やTVドラマ版の画像が行間から立ち上ってくるようです。映像と親和性の高い横山作品ですが、映像化では設定が変わっても、原作のメインである記者としての矜持や焦燥感を巧みに表現していたことに驚かされます。(50代 女性)

伊坂幸太郎「グラスホッパー」

つばめくん
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2015年 映画化 主演:生田斗真

伊坂幸太郎「グラスホッパー」がおすすめの理由

主人公の弱さと立ち向かい方、世の中のいろんなことの仕組み…。うまいこと登場人物がそれぞれ映像化されていたように思えました。小説一冊文を二時間に押さえようとすると内容は薄くなってしまうことがありますが、動きのある映像と、演者のバランスが良かったと思います。それぞれの登場人物の裏を描こうと思うと足りないかと思うのではしおられていたところはありますが、映画だけを見ていた人にも分かりやすかったのではないのかなと思います。(30代 女性)

雫井脩介「クローズド・ノート」

つばめくん
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2007年映画化 主演沢尻エリカ  伊勢谷友介

雫井脩介「クローズド・ノート」がおすすめの理由

恋愛とほんの少しのミステリーが織り交ざった美しくて少し悲しい小説です。
偶然のような必然で二人を引き合わせたのは過去と現在を繋ぐ1冊の日記。
面影や思いを重ねていたパズルのピースが埋まった時驚きと悲しみ、切なさ、いろんな感情が入り乱れました。
忘れられた日記は彼の心の棘を抜く為に託された物だった、預かったのが主人公の香恵で良かった。
結局誰も片思いで、閉じられた日記はもう続きを紡ぐことが出来ないけれど、清々しいラストでした。(30代 女性)

アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」 

たんぽぽちゃん
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2011年にランダムハウスから刊行。
日本では池田真紀子の訳により2014年にSB文庫から刊行。
つばめくん
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2018年にスティーヴン・スピルバーグによって映画化され
その際、題名は原題の『レディ・プレイヤー1』に戻された。

アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」がおすすめの理由

舞台は荒廃した近未来、そんな中の底辺に近い生活をしている少年が主人公です。唯一の希望はVRゲーム「オアシス」を攻略しての一攫千金です。とはいえゲームを進めるにもお金が懸かるという世知辛い状況です。しかしある日、あることがきっかけでゲーム第一関門を世界初クリアすることで状況は変わります。多額の賞金を手に入れたと共に企業に目をつけられたことで命を狙われ、それまで住んでいたスラムは攻撃を受けます。果たして主人公は企業の手を逃れつつゲームクリアができるのでしょうか。(30代 男性)

東野圭吾「さまよう刃」

つばめくん
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2009年映画化 主演寺尾聰 酒井美紀 竹野内豊 

東野圭吾「さまよう刃」がおすすめの理由

理不尽にも娘を殺された主人公、長峰重樹の、犯人である少年たちへの復讐劇がテ-マの小説です。娘の命が奪われた現実を受け入れられないでいる長峰は、犯人達の居どころを突き止め、犯人の内の一人を衝動的に殺してしまい、警察から追われる身となりますが、もう一人の犯人への復讐を遂げようとします。こんなストーリーの中に様々な人間模様が描かれています。非業の死を遂げた最愛の娘を胸に抱きながら、ひたすら復讐を遂げようとする生き様には感動を覚えなくして読むことが出来ません。(60代以上 男性)

吉田修一「さよなら渓谷」

つばめくん
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2013年映画化(R15+指定) 主演真木よう子 大西信満 大森南朋
エンディングテーマは椎名林檎が作詞作曲 歌真木よう子。
第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞など、数多くの賞を受賞。

吉田修一「さよなら渓谷」がおすすめの理由

この作品は重く暗く悲しい内容となっていましたが、最後まで読むことに没頭してしまいました。とある事件の被害者と加害者が夫婦として過ごしているという事が、隣人の殺人事件や様々な事件をたどる中でわかっていきます。読みながら、「え、もしかして」「うそだろ」と驚きが止まりませんでした。二人の微妙な空気感を読みながら肌で感じることができました。一般常識では到底考えられない二人の愛の形や心の闇を感じ色々な感情が読みながら湧いてきました。(30代 女性)

畠中恵「しゃばけ」

たんぽぽちゃん
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第13回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞。  第1回吉川英治文庫賞受賞。
つばめくん
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2004年 NHK-FM放送ラジオドラマ化。2007、2008年にフジテレビ系ドラマ化。

畠中恵「しゃばけ」がおすすめの理由

妖怪が登場する作品を好んで読んでいた時にこの作品もハマってよく読んでいました。
妖怪が出てくるのに作風は明るめでオドロオドロしていません。
登場する妖怪たち、特に主人公と仲の良い妖怪たちは結構、親しみやすく可愛らしいです。なのでホラー系とはちょっと違います。
この作品は謎解きものとしての要素もあるのですが、おまけ感はなく結構しっかりした内容であると思います。
主人公の若旦那と妖怪たちが協力して謎を追うところも見どころです。
小難しくもなくさらっと読める作品です。(20代 女性)

誉田哲也「ストロベリーナイト」

たんぽぽちゃん
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第9回大藪春彦賞候補作。
つばめくん
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2010年 – 2013年にかけてテレビドラマ化・映画化。 主演 竹内結子
 2019年4月からフジテレビ系テレビドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』
 主演二階堂ふみ 亀梨和也

誉田哲也「ストロベリーナイト」がおすすめの理由

推理小説は好きで、昔から愛読していましたが、刑事小説にはまったのは、このドラマを見てからでした。映像化されたものは、なかなかショッキングなシーンもありましたが、ホラーものではないので、切り換えはすぐにできました。ドラマのキャストが私的にはドンピシャだったので、小説(姫川玲子シリーズ)もすぐに買い揃えて、久しぶりに寝る間も惜しんで読み進めました。
「刑事小説って犯人探して終わりでしょう?」と聞かれる事があるし、実際自分も思いこんでいましたが、ストロベリーナイト(姫川玲子シリーズ)は登場人物の設定が、実に細かく丁寧にされていて、姫川の過去には同性として深く感情移入されたところもあり、菊田とのシーンには色々と焦れったくなり、実際に「こんな人いるのー?」と思わず突っ込んだガンテツ。←実に憎たらしい。だが、のちに妙に人間臭いところにハマってしまう。
普段、小説に現代人を当てはめて読むことは余りしませんが、この小説、シリーズは、ドラマの登場人物がそのまま出演しています。(50代 女性)

アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」

たんぽぽちゃん
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1939年にイギリスで刊行。
1995年にアメリカ探偵作家クラブが選出した『史上最高のミステリー小説100冊』の本格推理もののジャンルで1位。
日本各誌の海外ミステリー・ベストテン 2010年『ミステリが読みたい!』(海外ミステリ オールタイム・ベスト100 for ビギナーズ)で1位。
2012年『週刊文春』(東西ミステリーベスト100)で1位と、近年においても高評価を維持している。
つばめくん
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1945年 アメリカ 20世紀フォックスが映画化映画。

アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」がおすすめの理由

孤島に集められた年齢、職業がバラバラの男女が10人のインディアンの歌になぞらえられひとりずつ殺されていくスリル感のある作品。各人物の外見や人物像の描写が1世紀近く前の海外小説だけれど現代にも通じるところがある。とくに女性の心理面の嫌な部分が繊細に描かれていて共感がしやすい。島に閉じ込められた人々が色々な方法で島からの脱出を試みるがその甲斐もなくまたひとりと消えていき絶望感に苛まれる悲劇的な展開だが読後感に一種の清々しさもある。(30代 女性)

宮部みゆき「ソロモンの偽証」

つばめくん
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2015年映画化「前篇・事件」「後篇・裁判」の2部作。
主演藤野涼子 板垣瑞生 石井杏奈 望月歩

宮部みゆき「ソロモンの偽証」がおすすめの理由

クリスマス未明、一人の中学生が屋上から転落死した。自殺で終わろうとしていた捜査。そこへ、一通の告発状が送られて来たことにより、物語は急展開を迎える。捜査を早く終わらせたい大人、真実を知ろうとする若者。学校内裁判と言われるとしっくりこないが、ホームルームと考えれば分かりやすい。クラスであったかもしれない、いじめや暴力。傍観者でいたくない。クラスで起きた問題から目を背けず、解決しようという熱意に心打たれた。(30代 女性)

北村薫「ターン」

たんぽぽちゃん
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第118回直木賞候補作品。
つばめくん
つばめくん
2001年映画化 主演 牧瀬里穂 中村勘太郎 倍賞美津子
牧瀬里穂 毎日映画コンクール優秀女優賞を受賞。

北村薫「ターン」がおすすめの理由

この話は、主人公の女性が交通事故をきっかけに1日を繰り返してしまうという話です。
彼女は誰もいない世界に飛んでしまい、毎日絶望の中過ごしていました。そこにある日、仕事依頼の電話が現実世界からかかってきます。それに縋るようにする彼女。
もし自分だったら、どんなに毎日を頑張って生きても結局すべてが元通りになってしまうと思うと、努力もしないし、小説の中の柿崎みたいに、ものを好きに使ったりやりたい放題したくなってしまうと思います。それでも毎日同じことが起きれば、無気力感から抜け出せなくなるかもしれません。
しかし、彼女の強さがきっと、現実世界との電話をつなげ、電話相手の彼をきっかけに1日を全力で過ごす大切さを思い出します。 その彼女の一日はとても活力に溢れて輝いていました。
この小説を読み、1日1日はもう戻ってこないものとして大切に過ごしていこうと思いました。
著者の北村薫さんは男性だと思いますが、主人公である牧野心理描写がとても女性らしく、柔らかい雰囲気を持っていて、その表現力がすごいなと思いました。(20代 女性)

奥田英朗「ナオミとカナコ」

つばめくん
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2016年フジテレビドラマ化 主演広末涼子 内田有紀

奥田英朗「ナオミとカナコ」がおすすめの理由

主人公ナオミが、旦那から酷いDV被害を受けている親友カナコを救い出すために、カナコと共謀して旦那を殺害し、逃亡する物語。
殺害後、旦那の家族や警察から追い詰められるシーンが臨場感があり、一気に読み進めることができた。
男同士の友情であれば、どんな理由があろうと「共謀して親友の妻を殺害しよう」とはならないと思う。
女同士だからこその発想であり、正反対の性格ながらも絆の深いナオミとカナコの友情を垣間見ることができた。(30代 女性)

川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」

つばめくん
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2014年映画化 主演竹野内豊 尾野真千子
第88回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第10位

川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」がおすすめの理由

イケメンで見るからにモテモテな主人公、ニシノユキヒコ。
ありとあらゆる女達を、いつの間やらトリコにしてしまう。
いつだって優しくて穏やかなオトコ。
こんな人が側にいたら、自分に気があるんじゃないかと、あたしも勘違いしてしまうに違いない。
けれど、いつも最後はひとりになってしまう。
去っていった女達が、そんなニシノユキヒコへの思いを語る。
どうして彼の恋は実らないのか。
ありとあらゆるタイプの女の子と付き合いながらも、決して長続きすることのない恋。
ルックスと性格はとにかくバツグン、こんな素敵な男性の隣にいるあたし!
最初、女達は優越感に浸るのだろう。
けれど次第に、表面的なモノよりも、もっと内面的なナニカが欲しくなる。
それなのに、欲しいと思えば思うほど、もがけばもがくほどニシノユキヒコは離れていく。可愛くて、もどかしくて、イライラする。だけど、なぜか嫌いになれない。
全てのイケメンがイケてるわけじゃないんだと、ふと考える。
誰もが迷ったり、寄り道しながら進んでいる。
愛する人に出会えることは、本当に幸せなんだなぁと、しみじみ感じる作品。
(30代 女性)

恩田陸「ネバーランド」

つばめくん
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2001年 ドラマ化 主演 今井翼 三宅健 生田斗真

恩田陸「ネバーランド」がおすすめの理由

作品の発表されたのが20年以上前だし、今では珍しくなくなったが一般の作品の中に腐女子が喜びそうなBLっぽい描写があるのも、当時書かれている事を思うと凄いと思う。
男子高校生が抱える沢山の悩み、その悩みを仲間達に話すことと松籟館という高校生達にとって大事な場所があるという事を作品の全体を通して描かれているので、大切な物を守るためにどうしていけば良いのか、仲間という物の大切さを感じさせてくれる作品になっていると思う。また、私が好きな恩田陸作品の魅力である、静かな部分とテンポが速く躍動感が溢れる部分が交互に描かれているので、読んでいてもドキドキ感が増す。
(30代 女性)

あさのあつこ「バッテリー」

たんぽぽちゃん
たんぽぽちゃん
1997年 第35回野間児童文芸賞受賞作品。
つばめくん
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2000年 NHK-FM「青春アドベンチャー」枠にてラジオドラマ化(全10話)。
2007年 映画化 主演林遣都
2008年 NHKテレビドラマ化 主演中山優馬
2016年 フジテレビ「ノイタミナ」枠にてテレビアニメ化

あさのあつこ「バッテリー」がおすすめの理由

兄弟の思いをのせ、全力で野球に取り組む心強い兄の姿が印象的な小説でした。野球のルールもまったく分からない状況で友達に勧められて読みましたが、それでも十分に楽しく読むことが出来ました。最後の投球の場面では感動に涙が止まらず、読んだ時期はもう約10年ほど前になりますが、今でもその感動が薄れることなくよみがえるという非常に印象的な作品でもあります。一生懸命生きるということを全ての人々に思い起こさせる、熱く面白い作品です。(20代 男性)

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」

たんぽぽちゃん
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2012年に本屋大賞にノミネート。
つばめくん
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2013年 フジテレビ系ドラマ化 主演:剛力彩芽
2018年映画化 主演黒木華 野村周平

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」がおすすめの理由

出版された当時から読み始め最終号まで何度も読みました。鎌倉で古本屋を営む栞子さんは極度の人見知り。でも、次々と古書に由来する事件をアルバイト店員の大輔さんと解決していく物語です。鎌倉という土地柄がなんとなく暖かく感じられ、また人と人とのつながりも暖かい、ほのぼのとしたミステリーです。ストーリーにのめり込んでいく過程で、自分なりの栞子さんのイメージ、大輔さんのイメージなど大きく膨らんでいたのですが、フジテレビでドラマ化された際の主人公・栞子さんを剛力彩芽さんが演じた時には正直残念に思いました。キャスティングの難しさなのでしょうか。今回映画化された作品はまだ見ていませんが、黒木華さんが栞子さん役とのことで、どのように演じられているのか興味があります。原作本と化・ドラマ化、脚本がすべて合致するのは難しいと思いますが、せめて原作のイメージを大きく壊すことなく取り組んで欲しいと思います。
(40代 女性)

加藤シゲアキ「ピンクとグレー」

たんぽぽちゃん
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ジャニーズ事務所所属タレントが小説を出版するのは初めてのこと。
つばめくん
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2016年映画化 主演中島裕翔 菅田将暉

加藤シゲアキ「ピンクとグレー」がおすすめの理由

NEWSの加藤シゲアキさんの処女作で、アイドルが書く小説はどういう世界観なんだろうという気持ちでこの本を手に取りました。舞台は芸能界の裏側で、芸能界をNEWSもしてデビューする前からずっと見てきた加藤さんならではの魅力や裏側や闇、そして葛藤などが描かれていました。こんなドロドロな世界に居られるのも大変だし、それを物語にして人間同士の対立を表現する加藤さんの創造力に圧倒されました。最後の主人公の急展開には度肝を抜かれます。(10代 女性)

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」

つばめくん
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2009年 映画化 主演:伊藤淳史

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」がおすすめの理由

アヒルと鴨のコインロッカーや重力ピエロ等、伊坂作品は、映画も小説もどちらも好きですが、中でもフィッシュストーリーは爽快で、鑑賞・読了後とてもスッキリしたので大好きです。いつもサスペンス要素を含みつつ、実は本人だった、実は本人ではなかったというようなどんでん返しのラストの回収が、本作は【ひっくり返す】のではなく、全て【繋がっている】という面白さが好きです。ストーリー全体だけでなく、他作品の登場人物がでてきたりと、これまでをひっくるめての伏線回収感がとても気持ちいいです。
(20代 女性)

百田尚樹「フォルトゥナの瞳」

つばめくん
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2019年に映画化 主演神木隆之介 有村架純

百田尚樹「フォルトゥナの瞳」がおすすめの理由

題名でもあるフォルトゥナの瞳という少し変わった名前に興味を持ちました。元々百田尚樹さんの小説が好きということもあり読んでみました。
最初は、急に人の死が見えるようになってしまった主人公がどうやって人を救うかというところが気になっていました。だんだん物語が進むにつれて実は好きな女性もフォルトゥナの瞳を持っていたということには驚かされました。最後、主人公が大勢の人の命を救うために自分を犠牲にしたところは悲しくて涙が出てきました。自分の幸せか、他人の幸せか。自分を犠牲をしてでも他人を助けた主人公を思うと考えさせられるものがありました。(20代 女性)

東野圭吾「プラチナデータ」

つばめくん
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2013年映画化 主演二宮和也 豊川悦司  鈴木保奈美

東野圭吾「プラチナデータ」がおすすめの理由

映画と小説の展開は違います。小説のほうが深くてとても面白かったです。一見関わりのないような人が、国民一斉データ化をすることで関わっていることが分かったり、事件を撹乱させたり解決に導いたりと、将来現実でもあり得る事柄でとても入り込めました。現実のマイナンバーにも似通ったものもあり、法やルールの落とし穴も書かれていてとても面白いなと思いました。現代社会の闇とそのなかでも純粋に生きる人や心を描いていて良いなと思いました。(20代 女性)

有川浩「フリーター、家を買う」

つばめくん
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2010年 フジテレビ系ドラマ化 主演二宮和也 竹中直人 浅野温子

有川浩「フリーター、家を買う」がおすすめの理由

25歳でフリーター、定職につかずバイト生活を続けていた実家暮らしの若者でした。当時の私はこの若者の暮らしぶりが羨ましく思っていました。私自身の25歳の時とは全く違う生活スタイルだったので、実家暮らし・自分のバイト代は使い放題という生活が良いなと思ってしまいました。
ただ母親の精神的な病から心を入れ替えて、100万円を貯めるという目標を立ててその目標に向けて行動した事は行動力・実行力があり素晴らしいなと思います。(40代 男性)

森見登美彦「ペンギン・ハイウエイ」

たんぽぽちゃん
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第31回日本SF大賞受賞作。
つばめくん
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2018年 アニメ映画化 声北香那 蒼井優

森見登美彦「ペンギン・ハイウエイ」がおすすめの理由

小学四年生である主人公の、子供らしいとも大人びているとも言いがたい、である調の独特な言い回しが癖になる。周りを取り巻く子供や大人などの人間関係も、たとえば一緒に遊ぶ友達やいじめっこなどが、その残酷さも含め幼いころを思い起こさせる。町に突然現れたペンギンと、主人公が親しくしている歯科医院の「お姉さん」にまつわる謎などが主軸となり、物語が展開していくのだが、主人公が周りの人の考えも融合しながら謎を解こうとする姿は胸に刺さるものがある。また、コーラの缶がペンギンになる様子や草原の中心に浮かんでい「海」と呼ばれる水の球体などの描写が一つ一つ丁寧で目に浮かんでくるようだ。読むだけで彼らと共に考え、冒険をしているような、懐かしい気分になることができた。(10代 女性)

ジェフリー・ディーヴァー「ボーンコレクター」

たんぽぽちゃん
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ネロ・ウルフ賞受賞作品 週刊文春ミステリーベスト10で第1位。
つばめくん
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1999年映画化 主演デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー

ジェフリー・ディーヴァー「ボーンコレクター」がおすすめの理由

アメリカ、NYを舞台に起こる猟奇的な連続殺人事件を脊椎不随になった元刑事が現職の女性巡査と組んで事件が起こるのを防ごうと奮闘するサスペンス小説。被害者が犠牲になるまでのタイムリミットや殺され方を丁寧に描写している。主人公の外見設定は映画とは大部分違う。各登場人物の個性に応じた描写、心理面の掘り下げがされていて入り込みやすい。NYの道路事情や昔使われていた場所、地図などを駆使した設定なので興味深く読める。(30代 女性)

宗田理「ぼくらの七日間戦争」

つばめくん
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1988年映画化 主演宮沢りえ

宗田理「ぼくらの七日間戦争」がおすすめの理由

30年以上続く、人気児童向け小説シリーズの第1作です。中学生の子供たちが廃工場に立てこもって先生や子供の親達と知恵と友情でもって戦うといったストーリーです。昔宮沢りえが主演した映画といえば、思い出される大人の方も多いと思います。今年アニメでリメイク化されるという報を聞き、何十年かぶりに読み返してみました。学生時代ぼくらシリーズにはまり、夢中で読んでいたことを思い出し懐かしくなりました。青春時代の良き思い出です。今の子供たちにも読み継がれていると聞き、感動しました。アニメでまたぼくらの仲間たちに会えることを楽しみにしています。(40代 女性)

スティーブン・キング「ミザリー 」

つばめくん
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1990年映画化 アメリカ 主演のキャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞。

スティーブン・キング「ミザリー 」がおすすめの理由

人気小説家が、交通事故で足が不自由になったのをいいことに、熱狂的な女性ファンに監禁されます。
彼女の為に小説を書くことを強要されますが、事故後に治療をさせて貰えず痛み止めの中毒状態なっていたり、斧で指を切断されたり、描写が恐ろしいのでドキドキしながら読みました。田舎街で普段から近所との接触がないと、人一人監禁していても分からないものなんですね、元看護師なので薬も持っているし、体は大きいし、設定としてこんなに怖いことはないです。(40代 女性)

高田郁「みをつくし料理帳」

つばめくん
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2012年/2014年 テレビ朝日スペシャルドラマ化 主演北川景子
2017年 NHK連続ドラマ化 主演黒木華

高田郁「みをつくし料理帳」がおすすめの理由

時代小説ってすごくおもしろい!と私に思わせてくれた作品です。情緒あふれる文章なので、私は毎巻読むたびに号泣していました(笑)。登場人物の心情はもちろんですが、江戸時代の人たちの生活がありありと頭にうかんできます。好きになった人に求婚されるが、仕事がやめられず泣く泣く別れてしまう、、など、特に女性が共感できる現代の小説やドラマにもありそうな設定で、時代小説初心者の私でも難なく読むことができました。本編全10巻と番外編が1巻と長編ですが、一気に読める小説です!(40代 女性)

東野圭吾「ラプラスの魔女」

つばめくん
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2018年映画化 主演櫻井翔 広瀬すず  福士蒼汰

東野圭吾「ラプラスの魔女」がおすすめの理由

予知能力者というが題材で人はこれから起こる事や天候、事件が事前にわかるのかというとても興味深い小説でした。地球化学の研究者がありえないと思ったことが実際に事件現場で発生して次々と不可解な事が起こり、小説に出てくる登場人物の数奇な人生に引き込まれました。
そしてこの小説を映画化することによって温泉地で次々と起きた中毒事故や天候を操るかのような能力に迫力度が増して最後まで何が起こるのだろうと引き込まれたのでとてもおもしろかったです。(30代 女性)

山田悠介「リアル鬼ごっこ」

つばめくん
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2008年 映画化 主演石田卓也 谷村美月 吹越満

山田悠介「リアル鬼ごっこ」がおすすめの理由

この小説を初めて読んだ時は、まだ中学生でしたが、とても印象に残っています。現実世界ではありえない話でしたが、こんな世界が起きたら、と考えてとても引き込まれてました。実際によくある名前を使っていることが親近感があり、読みやすかったです。命をかけた鬼ごっこという事でハラハラする所がたくさんあり、最後がどうなるのか早く知りたくなる内容です。悲しいシーンもたくさんありますが、それでも必死に生き抜いていく主人公の強さに引かれます。(20代 女性)

湊かなえ「リバース」

たんぽぽちゃん
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第37回吉川英治文学新人賞の候補作。
つばめくん
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2017年 TBS系テレビドラマ化 主演 藤原竜也 戸田恵梨香 玉森裕太(Kis-My-Ft2

湊かなえ「リバース」」がおすすめの理由

最初はテレビドラマで、リバースを見て面白くて話の続きが気になってドラマ迄待てず小説を読みました。
原作とドラマを両方みた感想は、ドラマで小説の内容を忠実に再現するのは厳しいですが、小説の方が詳しく登場人物の心理描写を捉えられいたと思います。
ドラマと小説では少し内容が違うので私は2度この作品を楽しめました。
湊かなえさんの作品は必ず読んでいるんですが、今回のイヤミスの最後のどんでん返しの結末はかなり読後、後味が悪かったですが、上手に伏線を回収してると思いました。
(30代 女性)

柚木麻子「伊藤くんAtoE」

たんぽぽちゃん
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2013年 第150回直木三十五賞候補作。
つばめくん
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2017年TBS系テレビドラマ化 主演木村文乃 佐々木希
2018年映画化 主演岡田将生 木村文乃 

柚木麻子「伊藤くんAtoE」」がおすすめの理由

タイプの違った女性が、一人の男に振り回されるお話です。
それぞれの女性目線の章に分かれていて、性格や価値観などが全く違うので読んでいて飽きないです。
会話文が多いし、語りもナレーションではなく、女性口調なのでとにかく読みやすかったです。時間がないときでも、さくっと一章読めてしまいます。
新宿や六本木が出てくるので、親近感もあります。時間経過も分かりやすく、どうだったっけ?と前に戻ったりなども一切なかったので、サクサク読みたい人向けだと思いました。最後の締めが広げた割には少し物足りなく感じましたが、全体としてはとても面白かったです!(20代 女性)

今野敏「隠蔽捜査」

たんぽぽちゃん
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第27回 吉川英治文学新人賞。
第21回 山本周五郎賞(『果断 隠蔽捜査2』)
第61回 日本推理作家協会賞 長編及び連作短編集部門(『果断 隠蔽捜査2』)。
第2回 吉川英治文庫賞(『隠蔽捜査』シリーズ)。
つばめくん
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2007年テレビ朝日ドラマ化
2014年TBSドラマ化

今野敏「隠蔽捜査」がおすすめの理由

今野敏の警察小説です。最初東大卒の警察庁長官官房総務課課長のキャリアと言う立場が常に鼻について嫌味がした。現役警察官の殺人事件と息子の麻薬所持事件をどう処理するのかが見物でした。信念を貫き、変人と言われてもぶれない展開でしたが。一番のお気に入りは麻薬所持違反をした息子を自首させるために母親が付き添い警察に出頭する場面で、「家の事は私に任せてあなたは国を守って来なさい」と簡単に当然っぽく電話連絡する場面が非常に解りやすかった。面白いので直ぐに続編に手つけそうです。
(50代 男性)

隆慶一郎「影武者徳川家康」

つばめくん
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1998年 テレビ朝日系テレビドラマ化
2014年 東京系「新春ワイド時代劇」放映。
主演高橋英樹 片岡鶴太郎 片平なぎさ

隆慶一郎「影武者徳川家康」」がおすすめの理由

10年以上前に高橋英樹さん主演でドラマ化された小説です。
徳川家康が関ヶ原の合戦の最中に暗殺されていて、影武者が本物の徳川家康に成り代わることになったというのが内容です。
小説の印象は一言でいうと濃厚な歴史小説です。
石田三成の軍使島左近やかつて北条氏につかえた風魔一族が影武者に味方し、徳川秀忠と秀忠につかえる柳生一族と対立することが物語の縦軸として展開して行きます。
関ヶ原から江戸幕府成立、大坂の陣という史実の出来事を基にしながら影武者がいかにして生き抜いていくかという楽しみ方ができる小説でした。(30代 男性)

天童荒太「永遠の仔」

たんぽぽちゃん
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第121回直木三十五賞にノミネート作品。
第53回日本推理作家協会賞を受賞。
2000年『このミステリーがすごい!』国内部門1位 。
つばめくん
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2000年日本テレビ系ドラマ化 主演中谷美紀 渡部篤郎
第18回全日本テレビ製作者連盟ドラマ部門年間最優秀賞受賞作。

天童荒太「永遠の仔」」がおすすめの理由

ジャンル分けすれば犯人捜しのミステリーになるのでしょうが、犯人が分かって事件解決でハッピーエンドとは絶対思えないエンディングに心を動かされました。主人公三人の生きてきた過酷な人生、彼らを取り巻いた環境の劣悪さが彼らへの感情移入を生みます。ドラマでは優れた俳優陣の演技が光りましたが、原作においてはテレビという場では制限されてしまうシーンが多くあり、原作を読んだ上で映像を見ると、「こう表現するしかないな」と納得させられてしまいました。(50代 男性)

江國香織「間宮兄弟」

つばめくん
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2006年 映画化 主演佐々木蔵之介 塚地武雅(ドランクドラゴン)常盤貴子 
沢尻エリカ 北川景子

江國香織「間宮兄弟」がおすすめの理由

モテない2人の兄弟が、一生懸命、助け合いながら生活していて、ある姉妹に恋をするにですが、中々うまくいかない、相手にしてもらえずに、でもなんだかほっこりするストーリーです。
弟の方は、学校で働いていますが、教師ではありません、兄は、お酒メーカーで働いています。2人で暮らしているのですが、童貞は2人ともソープで卒業したというところが笑えました。
姉妹を誘ってカレーパーティーをするのですが、そこのやり取りが凄く面白かったです。(30代 女性)

中村文則「去年の冬、君と別れ」

たんぽぽちゃん
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2014年(第11回)本屋大賞候補作。
つばめくん
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2018年映画化  主演岩田剛典 山本美月 斎藤工

中村文則「去年の冬、君と別れ」がおすすめの理由

恭介がフリーライターとして、木原坂の事件を追って行く中で次々と新たな真相が浮き彫りになるストーリー。木原坂のカメラマンとしての絶妙なキャラクターを文章でリアリティーに表現しており、読んでいてその世界に入り込んでしまい鳥肌が立つ。百合子(朱里)に火をつけるシーンは、なんとも言えない気持ちになるが夢中でシャッターを切るというシーンが妙にリアルに映像として頭に浮かんでくる。人間関係が入り組んだ話なので、2回、3回と繰り返して読んでいくと違った視点で読めるので面白い。(20代 女性)

武田綾乃「響け!ユ-フォニアム・北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」

「響け!ユ-フォニアム・北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章がおすすめの理由

吹奏楽部の高校生が色々な困難を乗り越えながら成長していく物語です。この小説の傘木希美と鎧塚みぞれの問題の部分を取り出して映画化したのが1918に公開された「リズと青い鳥」です。子どもから大人に一歩ずつ成長していくのに何をどう考え乗り越えていけばいいか。友情をどのように育てていけばいいか。どこの部活動でも起こっているであろう様々な問題を通して悩み葛藤しながら解決していきます。また解決できなかった課題をしっかり自分で受け止め次につなげていくことができているのは正に成長した証なのでしょう。(60代以上 男性)

よしもとばなな「海のふた」

つばめくん
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2015年映画化 主演菊池亜希子 三根梓 小林ユウキチ

よしもとばなな「海のふたがおすすめの理由

なんだか心がささくれだって人付き合いに疲れてしまった時に、たまたま手に取った小説がこれでした。都会に疲れた主人公の女の子が、地元に帰って自分が本当に好きなお店を開き、そこにたまたま親戚の女の子が転がり込んでくるという設定がなかなか珍しく、一味違う「ひと夏の思い出」を描いた小説でした。出てくる人が個性的であるところや、それぞれの気持ちが丁寧に描かれているところ、いい人ばかりではなくて、どこにでもいる嫌な人がちゃんと出てくるところ。全てにおいてとてもやさしい小説で、疲れた心にそっと寄り添ってくれました。(20代 女性)

谷村志穂「海猫」

たんぽぽちゃん
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第10回島清恋愛文学賞受賞作品。
つばめくん
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2004年映画化 主演伊東美咲 仲村トオル 佐藤浩市 蒼井優

谷村志穂「海猫」がおすすめの理由

映画より前に小説を上下巻購入して読みました。
映画では下巻の子供達の話は出て来ないのですが、小説では映画の続きを読む事が出来ます。結構長編の、しかも上下巻物なのですが、飽きさせずにサクっと1日で読みました。
小説では時代背景、映画では省かれたエピソード等も出て来ます。
舞台は自分が住んでいる北海道、行った事もある函館、札幌も下巻では出てくるので馴染みが有るので世界に入り易いのでしょうか?
官能的な描写も有りますが、主人公が薄幸の透明感のある美人な設定だからか、不思議と自然といやらしく無い感じで物語に入っていけます。
特に函館の教会辺りの描写は、そのままの美しさが反映されている作品です。小説初心者にも読み易いのでお勧め出来ます。(40代 女性)

又吉直樹「火花」

たんぽぽちゃん
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第28回三島由紀夫賞候補作。第153回芥川龍之介賞受賞作。
つばめくん
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2016年 Netflixと吉本興業によってネット配信ドラマ化。
2017年 NHK総合 Netflixにてネット配信されたものの再編集版が放送開始。
主演林遣都 波岡一喜
2017年映画化 監督板尾創路 主演菅田将暉 桐谷健太

又吉直樹「火花」」がおすすめの理由

売れない芸人とその先輩芸人とのやり取りが面白く、ありふれた出来事に対しても予想外の行動を取る2人にどんどん惹きつけられた。
先輩芸人はあまり人からは良く思われていないけれど、売れない芸人だけは理解していて、天才だとも思っている。
芸人にはこんな人たちがたくさんいるんだろう。芸人だけに限らず、才能があっても世の中に知れ渡る人ばかりではないんだろう。
しかし、自分の事を天才だと思ってくれる人が1人でもいたら幸せなことなのかもしれない。(40代 女性)

朝井リョウ「何者」

たんぽぽちゃん
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第148回直木三十五賞受賞作品。
つばめくん
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2016年映画化 主演佐藤健 有村架純

朝井リョウ「何者」がおすすめの理由

大袈裟ではなく、私が今まで読んできた小説の中で一番心に響いた一冊です。ざっくり言うと就活活動中の大学生5人の物語で、内定を勝ち取る為にそれぞれが奮闘する話です。主人公は常に冷静に相手のことを分析していて、私も読みながらその意見に全くその通りだと共感しました。目標を追い続ける元仲間に対し、本当にそれで食べていけると思ってるのか。現実を見ろよ、と。実際夢を叶えるのは厳しいことだから完全に間違いとは言えないけれど、後半で主人公の就活仲間が言い放つ「相手を見下してないともう立っていられないんだよね」「私たちは何者にもなれない。ダサくてカッコ悪い自分で悪あがきするしかない」という言葉で、主人公と同じ節があった私はがつんと頭を殴られた気分になりました。その言葉を受け、最終的に主人公はかっこ悪くても一生懸命になる道を選んだのですが、私も無理にエラくなろうとせずにありのままの自分で勝負する勇気を持とうと強く思いました。(10代 女性)

川村元気「億男」

たんぽぽちゃん
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2015年(第12回)本屋大賞第10位入賞作品。
つばめくん
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2018年 映画化 主演佐藤健 高橋一生 沢尻エリカ

川村元気「億男」がおすすめの理由

この小説を読んだ感想として、一言でいうと「とても勉強になった」という感じです。
というのも、主人公が宝くじで巨額の金額をあてたものの、主人公自身がその器になっていないとお金を持っていても結局不幸になってしまうということを暗に感じさせてくれるような、そんな作品だったからです。
この本はただ普通に読んでもドキドキするような物語の展開になっていて面白いし、お金の使い方を知る、ある種の自己啓発本のような本として読んでみても面白いかもしれません。ラストはドキドキしつつも個人的にはバッドエンドじゃなくてよかったと思いました。(20代 男性)

松尾由美「九月の恋と出会うまで」

つばめくん
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2019年映画化 主演高橋一生 川口春奈

松尾由美「九月の恋と出会うまで」がおすすめの理由

恋愛小説ですが、それに加えてファンタジーやミステリーの要素もあるので、恋愛小説が苦手な男の人でも、楽しめると思います。読後感も良く、繰り返し読みたくなります。皆さん、きっと2回は読むでしょう。小説家ってすごいなあと思わせる見事な構成でした。小説に登場する家とか小物、登場人物がそれぞれ印象的で、自分の中でのイメージが広がります。それが、それぞれいやな雰囲気ではないのです。ありきたりな恋の話ではないです。主人公と共に、戸惑いながら、心揺さぶられたり、胸が熱くなる体験ができます。ぜひ映像化して欲しいと思っていた作品なのですが、主演は高橋一生さんと川口春奈さんという事で、私のイメージにぴったりで、映画もすごく楽しみにしています。
(50代 女性)

新海誠「君の名は。」

つばめくん
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2016年映画化 声 – 神木隆之介 上白石萌音

新海誠「君の名は。」がおすすめの理由

ニヤニヤ恋愛模様と、困難に立ち向かうハラハラのバランスが良く取れていました。新鮮な気持ちで楽しむことができました。ある日突然、お互いが二人入れ替りビックリしました。二人が入れ替わったばかりの時はお互いに戸惑いがありましたが、だんだん時間が経つにつれてお互いの日常を知るようになり、慣れて行きました。時間が経つと慣れていくものなのかなと驚きました。お互いが入れ替わりけっこうややこしく感じたりもしました。不思議な内容がけっこう多かったです。(20代 女性)

佐野徹夜「君は月夜に光り輝く」

たんぽぽちゃん
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2016年 第23回電撃小説大賞受賞作品。
つばめくん
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2019年映画化 主演永野芽郁 北村匠海

佐野徹夜「君は月夜に光り輝く」」がおすすめの理由

「発光病」と呼ばれる不治の病に侵されている余命0の少女と、姉の死を経験してから投げやりに生きている少年のラブストーリーです。
少女が生きている間にやりたいことを少年が代行するというストーリで、少年は様々な体験を通して自分なりに生きる意味を見つけ、少女は少年から聞く体験談、実際に少年0が変わっていく様子を見て生きたいという希望を持っていくようになります。
人が生きる意味、生きる希望、人との絆を大切にしたいと思える小説だと思います。
全体的に儚い雰囲気で、ページが進むごとに二人の深まっていく絆と減っていく共に過ごせる時間に涙が止まりませんでした。
読み終わったあとは、周りにいる大切にしないといけない人についてとても考えさせられました。(20代 女性)

なかにし礼「兄弟」

たんぽぽちゃん
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第119回直木賞候補。
つばめくん
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1999年 テレビ朝日開局40周年記念スペシャルとしてドラマ化。
主演ビートたけし 豊川悦司 桃井かおり

なかにし礼「兄弟」」がおすすめの理由

作詞家なかにし礼氏の半生を記した小説。戦後生まれの我々には想像もつかない悲惨な幼少時代。実の兄が弟であるなかにし氏を保証人に膨大な借金を繰り返し、ヒット曲を連発して、さぞ印税で優雅な生活を送っているであろうと、誰もが想像していた頃、実は返済が追い付かず自己破産していたという証言的事実。
それでも兄と縁を切ろうとしなかった弟の健気な心情が繊細に描かれていて、何とも切なかった。
作詞家なかにし氏のサクセスストーリーであり、血縁の無常を教えてくれる一冊。
(50代 女性)

新田次郎「孤高の人」

つばめくん
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漫画化『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2007年11月から2011年10月まで連載。単行本が17巻まで既刊。2010年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

新田次郎「孤高の人」がおすすめの理由

主人公の加藤文太郎という人が、神戸で製図を書いていて、同級生が山遊びをしていると知り、一緒にやることになる。その楽しさに加藤文太郎ははまり、山登りを始める。最初は神戸付近の夏山登山を始めるが、物足りなくなり、冬山登山も始める。加藤文太郎は1人登山を貫き通す。神戸付近の冬山登山もやり、次はアルプス縦断を試みる。夏山登山をやり、冬山登山も挑戦する。
途中、加藤文太郎は結婚し子供に恵まれる。加藤文太郎の知り合いが加藤文太郎にあごがれを持っており、加藤文太郎を誘いパーティーを組み冬山登山を挑戦する。加藤文太郎は初めてパーティーを組み登山をしたため、パーティー登山のやりかたがわからず、知り合いがリーダーとして、仕切る。知り合いはリーダーとなり、誤った判断をしてしまうが、加藤文太郎が止めてもガツガツと冬山登山を登ってしまう。そのため、暴風大雪にあってしまい、そのまま2人は冬山登山で亡くなってしまう。(20代 男性)

内田康夫「後鳥羽伝説殺人事件」

つばめくん
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1982年版(TBS)/1990年版(日本テレビ)/2000年版(TBS)/2009年版(フジテレビ)/2009年版(TBS)/2018年版(TBS)全て二時間ドラマ化。

内田康夫「後鳥羽伝説殺人事件」がおすすめの理由

ご存じの浅見光彦シリーズ初期の作品です。テレビドラマでは浅見光彦役が変わり何本かの作品が作られました。浅見光彦の妹が事件に巻き込まれ亡くなるという悲しい事件の真相に迫る浅見光彦の執念が感じられる作品となっています。妹と一緒にいた記憶喪失になった友だちが、1冊の本をきっかけに記憶を取り戻し、事件の真相に近づいていくことから物語が始まります。そのまま思い出さずにいれば良かったものを、思い出して事件の真相に近づいたためにこの友だちも殺害されてしまいます。このことが浅見光彦の執念を増幅したようにおもわれ、思わず事件解決に向けて応援したくなります。浅見光彦シリーズの中でも気に入っている作品です。(60代以上 男性)

野島伸司「高校教師 」

つばめくん
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1993年TBS系テレビドラマ化。脚本野島伸司。 主演真田広之 桜井幸子。
同1993年映画化。2003年同名タイトルの続編が映画化。

野島伸司「高校教師 」がおすすめの理由

元々高校教師とは何十年も前にドラマ化され、映画化にもなった作品みたいです。ドラマはシリーズで言うと2つで私が原作を読んだのは初期の高校教師、ドラマで言うと第1シリーズで自分が産まれる前に放送していたドラマで本を探すのにも苦労するほど前の本でした。ある一人の女子高生、繭は新しく入ったきた教師、羽村に恋をします。けれど羽村は教師でそして婚約者もいた。
けれども繭の諦めない想いが羽村に向けられていき羽村も自分のことを思ってくれる繭に惹かれていく中、羽村の婚約破棄がおきた。理由は羽村の話はつまらないとのこと。羽村は元々研究者だったが周囲が彼をけ落とし、教師になっていた。傷ついた羽村の側にいたのが繭だった。繭は羽村の話を楽しそうに聞きいつも明るく何よりも羽村を思ってくれた。教師と生徒でありながら二人は恋を知った。結ばれた二人を見ると心が癒されていく。そんな気さえしたのに、その二人の関係を知った繭の父親は羽村と別れさそうとした。そして繭が抱えてた秘密を羽村は知ってしまう。羽村はショックを受けてしまうが、繭と父親が遠くの国へ住むことになる、もちろん父親の勝手だが繭は諦めていた。そんな時に空港に現れたのが羽村。彼の手にはナイフ。そして父親を刺してしまう。
そのナイフを受け止める父親の行動は羽村に笑顔で私には娘をよろしく、と言っているような気さえしました。
もちろん二人は追われる身になり電車で遠くへ行くことに。赤い糸を手に持って二人は座席に座った。
二人が遠くの場所で暮らしていける、やっと二人の明るい未来を想像できる。私は二人の幸せを思いながらページをめくっていきました。
けれども二人は毒で自殺をした、赤い糸に毒を染み込ませて。それを最後に読んで気づけば泣いていました。私が初めて読んだ恋愛小説は重く暗く果てしない闇を見たような気がしました。(20代 女性)

司馬遼太郎「坂の上の雲」

たんぽぽちゃん
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「日本を見つめ直す最良の『歴史書』」1位。
つばめくん
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2009年から2011年総合テレビ ドラマ化。

司馬遼太郎「坂の上の雲v」がおすすめの理由

日清戦争から日露戦争で日本が勝利するまでを描いた小説です。軍人である秋山好古・真好兄弟を中心に戦争の場面がドラマでは、演出されていた感じを受けました。本当は、司馬遼太郎さんご自身も語られていましたが、映像化は望まれていなかったようで、私も心配しましたが、戦争の場面が主になっていた感想が否めません。個人的には、バルチック艦隊を発見した石垣島の住民が宮古島までサバニで懸命に漕いで、報告に向かうその場面に、司馬さんの明治という時代を著したかった趣旨が込められていると思います。
(40代 男性)

有川浩「阪急電車」

つばめくん
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2011年映画化 「阪急電車 片道15分の奇跡」主演- 中谷美紀  戸田恵梨香
MBSラジオドラマ化 。

有川浩「阪急電車」がおすすめの理由

オムニバス形式で、阪急電車の乗客のそれぞれの心情にスポットをあててテンポよく展開されていくストーリーが大変面白かった。日常生活でいつも自分が使っている電車という中で出会う人たちも、それぞれに生活があり、それぞれの人生があるのだと改めて感じた。人とコミュニケーションをとるから、その人物がどんな人間であるのかわかるが、『電車』という中でこそその人の本質が現れているという著者の着眼点が絶妙だと感じた。私にとってこの作品は、著者の作品を好んで読むようになったきっかけの作品である。
(20代 女性)

小野不由美「残穢」

たんぽぽちゃん
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2013年 第26回山本周五郎賞受賞作品。
つばめくん
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2016年 映画化「残穢 -住んではいけない部屋」
主演竹内結子 橋本愛 滝藤賢一 佐々木蔵之介  坂口健太郎

小野不由美「残穢」がおすすめの理由

小説家の元にあるマンションでおこった異変について読者から手紙が届く。隣の部屋から畳をはく音が聞こえるという。この一通の手紙から始まった謎は実は過去から続く怪異だった。作家の私と手紙を送った久保さんという女性がこの謎を突き止めていくのだが、この土地で多くの不幸な出来事が起きていた事が明らかになっていく。これまで読んだ小野不由美さんの小説は『恐怖』を感じる。しかしこの作品を読んで感じたのは『悲劇』だ。戦後から現在に至るまでの時代の流れによって犠牲になってしまった人々の嘆きが怪異となって現れたのだと思う。(40代 女性)

池波正太郎「仕掛人・藤枝梅安」

つばめくん
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1981年 映画化 主演萬屋錦之介 
1982年~1983 二時間ドラマ全7本 主演小林桂樹 

池波正太郎「仕掛人・藤枝梅安がおすすめの理由

とにかく食べ物がおいしそう。そして梅安がかっこいい。時代物エンタテイメントのお手本のような作品。とにかく読んでいて楽しい。昔の時代小説だと女性は添え物扱いの作品が多いのだが池波正太郎作品は違う。どの女の人も戦う理由があって、対等に戦っている。隠れた池波正太郎作品の魅力なのではないだろうか。そもそも江戸時代はホモもヘテロもなんでもありだったというのは学説で耳にしていたが、一般的な商業小説で当たり前に出てきたのを読んだのは藤枝梅安が初めてだった。梅安先生に鍼治療してもらったら脱力しすぎてタコのようになりそうだな、と思いながらも梅安先生の鍼治療してもらいたいものである。(40代 女性)

j.r.r.トールキン「指輪物語」

つばめくん
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2001年映画化『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』
2002年映画化『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』
2003年映画化『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』
三つの映画はそれぞれの年にすべて長編ドラマ・プレゼンテーション部門のヒューゴー賞を受賞 。

j.r.r.トールキン「指輪物語」がおすすめの理由

とにかく壮大なお話。読書好きなら中高生で読み終えると聞いて気軽に読み始めたが、登場人物や背景などすべての描写が細かく、メモをしなければ到底理解ができない内容。また作中で様々な言語が存在するのだが、作者が意味だけではなく発音まで考えたものだと知って、その創造力に驚愕した。私と同じような人が多いのか、追補編という、固有名詞便覧や年表が記載されている別冊か刊行されている。それを見ながら読み進めたら(1度では理解できない箇所がいくつかあったので2回読んだ)おもしろさ倍増。私と同レベルの理解力しかない人にはこの追補編をそばに置いて読むことをおすすめする。(40代 女性)

金原ひとみ「蛇にピアス」

たんぽぽちゃん
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第27回すばる文学賞を受賞作品。
綿矢りさ『蹴りたい背中』とともに、第130回芥川龍之介賞を受賞。
つばめくん
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2008年映画化 吉高由里子 高良健吾 ARATA

金原ひとみ「蛇にピアス」がおすすめの理由

ピアスをあけて自分が生きているという事を確認するという若者の話です。主人公はピアスや刺青やスプリットタンなどをして痛みを感じて生きていることを実感します。私もピアスが大好きなので自分に重ね合わせて読むのが大好きです。薄い小説で読みやすいのに内容がぎっしりと詰まっていてすごく面白いです。主人公やその周りの人の生き方や、言葉遣いなどがすごく綺麗で大好きです。今の若者にぴったりな小説だなといった印象です。(20代 女性)

小松左京「首都消失」

たんぽぽちゃん
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第6回日本SF大賞受賞。
つばめくん
つばめくん
1987年映画化 主演渡瀬恒彦 名取裕子

小松左京「首都消失がおすすめの理由

突然首都圏が、雲に覆われ外部から通信が、不能となり首都機能が麻痺し日本が、どうなってしまうのか? どうしてそうなったのか、通じる手段はないのか? 実在そういうことが起こった場合どうしていけば、良いかという、指針が示され興味深かった。 大阪府の知事が音戸をとり、全国の知事を集め臨時政府を作り、混乱した日本を立て直していく。 実際でも首都機能を一部地方都市に移転する話も出ていたことがあり、この話しが参考になったのではと思う。 本当に読みごたえがあり、ぐいぐい引き込まれた。
(50代 男性)

冲方 丁「十二人の死にたい子どもたち」

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